ザイアンス効果は、親近感や好感度を高めるために役立つ効果です。商品やサービスを身近に感じてもらうことは売り上げに直結します。さらにコストを抑えて、効果を最大化することが重要です。
マーケティングの世界では、ザイアンス効果が頻繁に使用されます。
親近感や好感度を生むザイアンス効果を解説します。また、この効果のメリットやデメリット、活用方法も合わせて紹介します。
ザイアンス効果とは?
ザイアンス効果(zajonc effect)とは、僅かな時間でも対象物に繰り返し接触した結果、人々がその対象物をさらに好きになる現象です。
接触する時間は一瞬で、明確に認識しない状態であっても効果があります。アメリカの心理学会では「明確に認識していない方が効果がある」と説明しています。つまり、無意識の繰り返しの接触が、最も好感度を得るということです。
ザイアンス効果は元々、単純接触効果という名前で19世紀から研究されてきました。そして、1968年にアメリカの心理学者ロバート・ザイアンス氏がまとめました。このため、研究や学問の分野では、単純接触効果という名前の方が広く知られています。
ザイアンス効果の3つポイント
ザイアンス効果を正確に理解するには、次の3つのポイントを押さえましょう。
- 繰り返しの接触
- 接触時間は一瞬
- 明確な認識は不要(無意識)
何度も繰り返し目に触れることが重要です。しかし、接触は長時間である必要はなく、できれば一瞬が好ましいです。そして、その対象物を明確に認識しない方が効果があります。
ザイアンス効果のマーケティングでの活用
マーケティングでは、人々に対してブランドを認知させたり、企業への親近感を生むことが大切です。
私たちは初対面の人に対して、緊張や警戒心を抱きます。しかし、何度も繰り返し会うことで親近感を持つようになります。そして、その頻度が増えることで身近に感じ、友だちと認識します。
これをマーケティングに当てはめても同じことが言えます。初めて見た商品やサービス、または企業に対しては、多くの人が猜疑心を持ちます。しかし、何度も繰り返し商品などに触れることで、親近感が生まれます。
この流れにザイアンス効果を活かすことが、マーケティングには効果的です。つまり、「繰り返し」「一瞬」「無意識」の条件に合った広告宣伝を行います。
マーケティングの具体例
では、ザイアンス効果(単純接触効果)を活かす具体例をご紹介します。
ポスティングのチラシ配布
チラシを郵便受けに投函するポスティングは、ザイアンス効果を活かしたマーケティングです。
一般的にポスティングで配られるチラシは、詳しく読まれることなく捨てられます。このため、チラシの反響率は極めて低く、0.02%程度です。つまり、5000枚の配布で1枚しか問い合わせが得られません。
それでもポスティングが依然として有効なのは、ザイアンス効果によるものです。
手にとってスグに捨てられるチラシは、ザイアンス効果の3つのポイントに合致します。つまり、何度も繰り返して配布され、チラシとの接触は一瞬で、内容は明確には認識されません。ポスティングのザイアンス効果は絶大です。
サイトのバナー広告
ウェブサイトに掲載されているバナー広告も、ザイアンス効果の高いマーケティング手法です。
私たちはインターネットを閲覧しているとき、バナー広告をじっくりと見ることはありません。それどころか、バナー広告から視線を避け、記事の本文や動画などに注目します。ですから、バナー広告がクリックされることはほとんどありません。
しかし、このような行動こそがザイアンス効果を生みやすい環境です。つまり、繰り返し何度も表示され、目に入るのは一瞬で、詳しい内容を確認されず無意識です。
記事系コンテンツ
SEO対策として作成される記事系コンテンツも、ザイアンス効果を活かしたマーケティングです。
さまざまな情報やコラムをまとめた記事系コンテンツは、読んでスグに購入や問い合わせが行われるわけではありません。また、多くのサイト訪問者は、ウェブサイトの名前さえ認識しません。
しかし、多くの人々は何かが欲しい時や、どこかへ行きたいとき、関連する言葉をいくつも検索します。このため、関連する言葉の多くで検索結果に表示されていると、何度も同じユーザーがサイトを訪れます。
この繰り返されるアクセスと閲覧が、ザイアンス効果を生みます。
メールマガジン
メールマガジンは、古くからデジタルマーケティングで実践され、今でも多くの企業が活用しています。
しかし、メールマガジンの開封率は決して高くなく、じっくりと本文が読まれることは稀です。メールのタイトルだけを見て、すぐに捨ててしまう人も多いです。それでもメールマガジンが活用されるのは、やはりザイアンス効果を活かした広告戦略によるものです。
メールボックスに届いたメールを削除することは簡単です。また、タイトルだけ確認して削除されるケースも多いでしょう。しかし、メールのタイトルに企業名やブランド名があれば、やはりザイアンス効果が生まれます。
AIDMAの法則とザイアンス効果
マーケティングで広く認識されている言葉に、AIDMAの法則があります。人々が広告を見てから、購入や問い合わせなどのアクションを起こすまでの消費者の心理の流れを示したものです。
具体的には、次の5つのステップがあります。
・Attention(注意)
・Interest(関心)
・Desire(欲求)
・Memory(記憶)
・Action(行動)
一般的にAIDMAの法則では、インパクトを与えて注意をひきつけることが強調されます。なぜなら、人々の注意をひかなければ、行動までのステップが進まないからです。
しかし、ザイアンス効果を理解していると少し戦略が変わります。つまり、インパクトではなく繰り返しの方を優先するからです。しかも、一瞬の無意識な接触で十分です。
ザイアンス効果(単純接触効果)まとめ
ザイアンス効果(単純接触効果)は、3つの条件が合わさることで最大の効果を発揮します。ポスティングやバナー広告、記事系コンテンツなどはザイアンス効果を活かしたマーケティング手法です。
この効果を生みやすいマーケティングには、ポスティングやバナー広告、記事系コンテンツなどがあります。どれも即効性は無いものの、継続的に人々の目に触れる効果を狙っています。
商品やサービスへの親近感を生み、人々の身近な存在になるためにザイアンス効果を活用してください。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
投稿者プロフィール
最新の投稿
- その他2024年3月8日ポスティングはITの登場でどのように変化したのか
- マーケティング2024年3月2日AIDMAの法則とは?
- マーケティング2024年3月2日ザイアンス効果とは?
- 大垣市2022年3月7日【岐阜県】大垣市早苗町5丁目のローカルマーケティング情報