ポスティングの継続には、商品やサービスへの親近感を生み出します。何度も繰り返しチラシを見ることで、人々は企業を身近に感じるためです。このような作用を、ザイアンス効果と呼びます。

消費者からの親近感や好感度を生み出すためのポスティングの継続について解説します。

ポスティングの継続はチラシの評判を上げる

自社製品の広告手法としては、人による訪問営業、メールマガジンの配信、チラシのポスティングなどがあげられます。

中でもポスティングは、低コストで手軽に行うことができ、手に取って一度は目を通してもらえる可能性が高い方法です。

しかし、「費用をかけてポスティングを続けることは、本当に効果があるのか」「どれくらい費用対効果があるのか」と、悩む方も多いでしょう。

結論から言いますと、ポスティングの継続はとても効果があります。

ザイアンス効果をポスティングに活かす方法

例えば、繰り返し流れている車のCMを見ていると、その車について興味がわいてきたり、流れている音楽を無意識に口ずさんだりすることがあります。

それは、まさしくザイアンス効果によるものであり、何度も見たり聞いたりしているうちに自然と脳に印象付けられていき、次第には好感をもつようになるのです。

ただし、このザイアンス効果を販促活動に活かすためには、一定の法則があり、同時に注意する点もありますので、順に解説を行っていきます。

チラシの配布により期待できる効果は多くあります。

その効果には、主に下記の5点があげられます。

  • 新規顧客の獲得やリピーターの確保ができる
  • 企業の認知度を高める
  • コストを抑えながら集客に繋げやすい
  • 保管してもらえる可能性が高い
  • 視認性が高いため印象に残りやすい

これらの効果を最大限に活かすためには、毎週、毎月といったように、定期的に継続して目に触れてもらうことが大切です。

「継続的に」と「定期的に」がポイントで、比較的短い期間のうちに複数回ポスティングすることが効果的です。

初めは新しいチラシが入っているなと目にとどまる程度かもしれませんが、何回も同じ企業のチラシを見ているうちに、だんだんと認知度が上がり、親近感がわいてきます。

人は、商品の購入やセミナーの申し込みなど、何かを選択するときに、普段から慣れ親しんだものを最初に思い浮かべます。

その時に、継続してポスティングしていたチラシの内容が頭をよぎれば成功です。

想像していただきたいのですが、ゴルフのドライバーを購入するときに、全く初めて見るメーカーのドライバーと、普段からCMや広告などで有名なプロゴルファーが使用しているのを見聞きしていたドライバーが店頭に並んでいたとしたら、あなたはどちらを手に取るでしょうか。

ほとんどの人が、後者を手に取ることでしょう。

それだけ、普段から「見る」「聞く」といった接触があるかどうかは、人の判断に影響を与える鍵となっているのです。

要するに、継続的かつ定期的にチラシのポスティングを行うことで、認知度や親近感を高めるザイアンス効果を活かすことができ、その結果、購入などの成果に結びつく確率が上がるのです。

ほかにも、画像の見せ方や文章の表現方法などのイメージ効果を活用することで、チラシの内容に興味を持ってもらえます。

ザイアンス効果をポスティングに活用する際の注意点

ザイアンス効果は、ただやみくもに接触回数を増やせばいいという訳ではありません。

最初に悪い印象を与えてしまったり接触頻度を間違えたりすると、逆効果に繋がることもあるため注意が必要です。

これまではザイアンス効果の活用によるメリットを述べてきましたが、デメリットや注意点についても説明します。

・効果が出るポスティング回数には限度がある
・チラシの印象が悪ければ逆効果になる

効果が出るポスティング回数には限度がある

ザイアンス効果が期待できる限界は、一般的に10回程度であり、10回以上の接触を継続的に行っても効果の増大は望めません。

また、回数ごとに相手へ与える効果が変わるため、ポスティング回数に応じてチラシの目的を変える必要があります。

具体的には、「認知を高める」上で効果的なのが3回、「購入に繋げたい」場合に効果的なのが7回です。

したがって、初めの3回は「店舗や商品など自社ブランドの発信」を行い、4~7回目までは「商品の購入に向けたアプローチ」をします。

8~10回目までは見込み顧客が離れないように「関係性の維持」に注力するなど、発信したい相手方の地域性や目的に応じたマーケティング戦略を立てる必要があります。

チラシの印象が悪ければ逆効果になる

ザイアンス効果は繰り返しの接触により好印象へ繋がりやすくする一方で、最初から明らかに苦手なもの、嫌いなものについては、逆効果を与えるので注意が必要です。

したがって、相手が全く興味がないであろう情報を何回もSNSで発信したり、ポスティングしたりするような行為や、悪印象な営業マンの頻繁な訪問行為などは逆効果に繋がります。

例えば、初対面の保険の販売者が家に突然訪れてきたとします。

もし接客対応に不快な点があり、あなたがとても悪い印象を覚えた場合、2回、3回とその販売者が訪れるたびに、あなたは不快な気持ちを増幅させるばかりで逆効果となります。

つまりチラシなどの広告物は、読み手にとって不快な気持ちや悪い印象を与えないように注意する必要があります。

特に初めて見たものの印象は変えにくく最初が肝心なため、チラシのデザインや文言などについては、読んでほしい相手方にとって好印象に繋がる工夫をすることが大切です。

例えばレイアウトの場合、文字の位置を揃える、書体を統一する、文字の配置は左寄せ、情報はグループごとに分けてまとめるなど、読みやすさを意識して作成しましょう。

そのほか、日本語が美しく見えるタテ型、英数字が読みやすいヨコ型など、読む方向による受け取り側の印象や効果が変わります。

ポスティングの継続はチラシの評判を上げる!ザイアンス効果について解説まとめ

・チラシのポスティングを短期間に継続して定期的に行うことは、認知度や好感度が上がっていく単純接触効果(ザイアンス効果)が期待できるため効果的な手法です。

・ザイアンス効果が効果的に働くのは、一般的に10回程度と回数に限度があり、相手の認知度を高めるには3回、購買意欲を高めるには7回ほどが適切です。

・相手に与える最初の印象が悪ければ、接触回数が増えれば増えるほど逆効果に働く可能性があるので、チラシの見やすさ、記事の内容などには注意が必要です。