ポスティングはいつから始まったものか知っていますか?
時代の流れの中で名称は変化していますが、実は江戸時代からポスティングの歴史は続いています。
この記事ではあまり知られていない日本のポスティングの歴史を、社会背景とともに解説します。
またポスティングに関する情報を網羅した記事がこちらにありますので、他にも知りたいことがあれば確認してみてください。
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日本のポスティングチラシの歴史
「ポスティング」という名前から、最近始まったものかと思われるかもしれません。
しかし、古くはエジプトでチラシが配布されていたというくらい、ポスティングチラシは長い歴史を持つ広告媒体です。
順に時代を追って歴史を紐解いていきます。
・大正時代にチラシとビラが誕生
・昭和の金融恐慌と戦争によるチラシの衰退
・高度経済成長期のチラシの復興
江戸時代の引き札が起源
日本では江戸時代から広告チラシを配るようになり、客を惹きつけるという意味で「引き札」という名称が一般的でした。
1673年、いまの三越の前身となる「越後屋」が、セールやお得情報を「現銀掛け値なし」「切り売り可」というキャッチコピーで、広告チラシを江戸の町中や道行く人に配ったところ、大反響・大盛況となり、江戸一番の店として大成功を収めるに至ったそうです。
これが、日本における広告チラシの配布・ポスティングの始まりです。
お店によっては、チラシを見て来店した客に酒や割引券などを配布する手法を取り入れるなど、目新しさ・お得さが評判となり日本独自の方法で引き札文化は発展していきました。
大正時代にチラシとビラが誕生
大正時代には活版印刷が発明され印刷技術が飛躍的に発展し、これにより機械を使って大量に複製することが可能になりました。
「チラシ」と「ビラ」という言葉は、どちらも大正時代に誕生しましたが、2つとも同じ紙での広告媒体を指しています。
同じ紙でも配ると「チラシ」どこかに貼ると「ビラ」、大正時代に大阪で「紙を散らすように撒く」からチラシと言われるようになったと、いろいろな説があるくらい人々にとって身近な物だったようです。
大阪で誕生した「チラシ」という言葉が今でも日本中に残っているくらいチラシ文化は日本に根付きました。
チラシやビラが一般に広く浸透したことにより、国の政策から近くのお店の開店・特売情報までさまざまなものを、届けることができるようになりました。
この時点ではまだ、マーケティングやセグメントなどの言葉は誕生していません。
しかし、不特定多数の人に広く知らせる方法から、エリアやターゲットを絞って配布する方法など、当時の人たちも色々と工夫し、顧客に魅力的な戦略の展開をしていたようです。
昭和の金融恐慌と戦争によるチラシの衰退
「チラシを撒けば、客が来る」という時代は昭和の金融恐慌により陰りが訪れます。
お得な情報や耳触りの良いキャッチコピーが踊り購買意欲をそそるチラシは、恐慌による経済状態の悪化のために展開できなくなっていったのです。
さらに満州事変・日中戦争・太平洋戦争により、報道規制や検閲体制の強化による言論の自由への制限が出てくるようになります。
この時代には、自由なチラシの作成・配布は徐々に困難になり、その内容も法律で規制されるようになってしまい、戦争に関連した国の宣伝媒体となります。
それでも法律の規制に触れないような、チラシやビラの作成は行われていたようですが、食料も物資も乏しい状況において購買意欲を高める広告の発行は難しく、徐々に衰退していってしまうのです。
高度経済成長期のチラシの復興
15年以上も続いた戦争が終わり、日本は戦争からの目覚ましい復興を遂げます。
始めは食料も物資も乏しい状況から、徐々に新しいビジネスやサービスを展開する人が現れてきます。
その人たちが、周囲に知らせるために真っ先に始めたこと、それは「チラシ」や「ビラ」の作成と配布でした。
さらに、高度経済成長期には人々の暮らしは欧米化していきます。
個人商店からスーパーなどの大型商業施設へ消費形態も移っていき、住む場所は長屋から団地やマンションへと変化していきます。
それに伴い、街には新しい店も増え、海外資本や大企業・チェーン展開する企業の参入も目に見えて増えていきました。
それらの情報を届けていく広告媒体として選ばれたのが「チラシ・ビラ」であり、江戸時代のように町中に配るポスティングや、街でのチラシの配布が積極的に行われるようになり日本のチラシ文化は復興を遂げるのです。
その背景には、経済的に上り調子で消費マインドも上昇が続き、金銭的にも余裕ができたことで、チラシを配れば新しいお客さんが増える、また新しいチラシを配ればさらにお客さんが増えるという、好循環があったようです。
さらにパソコンによるチラシ作成・印刷技術の向上により、よりバラエティに富んだチラシを作成することが可能になったのも、この時代にチラシが発展した理由の一つと言えるかもしれません。
現在のポスティングチラシの状況
ポスティングも戦略的にニーズに合わせ、いかに効果的に効率よく行っていくかが、今の時代には求められています。
費用対効果も重要で、追加料金をかけず少ないコストでポスティングするのか、チラシ1枚当たり3~5円の追加料金を払って競合他社と差別化したポスティングを行うのかは全て依頼者次第です。
数日から1週間という短期間で集中的にチラシを配る方法もありますし、コストを抑えたい場合には配布期間を長めにとり他社と一緒に配る併配という方法もあります。
ポスティングでどれだけの反響があったのか効果測定を行い、フィードバックしてくれるポスティング業者も出てきています。
とりあえずポスティングしていれば、客を獲得できていた時代は遠い昔のようです。
これからのポスティングは、自社の訴求ポイントやクライアント・セグメントを詳しく分析した戦略的な配布方法が必要です。
ポスティングの費用を抑えたい場合には併配、ターゲットをより厳選したい場合にはGISポスティングなど、自社に合う手法を見つけて選ぶとよいでしょう。
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ポスティングチラシの歴史まとめ
・日本でのポスティングは300年以上も歴史のある広告媒体です。
・社会的背景と経済に左右されながら、衰退と発展を繰り返してきました。
・時代のニーズに合わせ、ポスティングチラシは今後も独自の発展を遂げていきます。
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