ポスティングチラシにピークエンドの法則を活用することで、読み手へダイレクトに商品・サービスを宣伝することができ、高い評判を得ることが期待できます。

「購入しようと思っていなかったのについ買ってしまった」「見ているだけのはずだった」といったことには、知らず知らずのうちにピークエンドの法則に沿った行動をしていたケースが多く存在します。

この記事では、ポスティングチラシ制作に活用できるピークエンドの法則について解説します。

ピークエンドの法則とは

ピークエンドの法則とは、感情が最高潮である「ピーク」と最終局面である「エンド」の印象によって出来事の記憶を左右する心理現象として、1999年に行動経済学者のダニエル・カーネマン氏が提唱しました。

2000年にはダニエル・カーネマン氏によって「騒音を使った記憶に関する実験」で、ピークエンドの法則を裏付ける興味深い結果が発表されました。

AとBの2グループに分かれ、Aグループには人が不快と感じる騒音を大音量で8秒間聞かせます。

一方、Bグループには同じく不快な騒音を大音量で8秒間聞かせて、その後に少し不快感を軽くした音を8秒間聞かせたのです。

すると、Aグループの方が不快感を強く感じる結果となりました。

Bグループの方が不快な騒音を長く聞いたにもかかわらず、最後に聞いた少し不快感を軽くした音を記憶として残したことになります。

ビジネスにおいてもピークエンドの法則を活用することによって、高い評価を得られます。

例えば、ネットの口コミやレビューは、ピークエンドの法則によって影響を受けています。

最初は商品やサービスにネガティブなイメージを持っていても、最後の対応が好印象だったり、商品・サービスによって良い結果が得られたりすれば、最後にポジティブなイメージが残り、評価は高くつくのです。

また通販番組では、最初に提示した金額の後に「今日は特別にもう一本プレゼント!」とお得感を出しながら、最初に提示した金額よりさらに安くすることで、お得感を強く印象づけるセールストークとなり視聴者の購買意欲を高めています。

他にも、初めて入るレストランに行ったとき、第一印象が「店内の照明が薄暗くて怖い」「気味が悪い」というものであっても、その後に食べた料理がとても美味しく、帰り際に好感をもてる接客を受けたとしたら、最初にネガティブなイメージをもったとしても雰囲気の良いレストランだったとのイメージが記憶に残るでしょう。

このとき、料理を食べているときがピーク、帰り際がエンドにあたります。

ビジネス以外に、人間関係でもピークエンドの法則が影響する場面はあります。

初対面の第一印象が悪く「この人とは合わなそうだ」と思っても、途中から話題が盛り上がり最後にはお互い笑顔で別れた場合、「一緒にいると楽しい」「この人とは話が合う」との評価が記憶に残り、最初に受けたネガティブな印象は気にならなくなります。

人は1日経つまでに74%の記憶を失ってしまうので、物事を曖昧にしか覚えていられません。

しかし、感情を大きく揺さぶられたことは強く記憶に残ることが多いため、最高潮のピーク時や最終局面のエンドで、ポジティブな感情を印象に残してもらうことが重要です。

ほかにも、画像や文章の表現方法により、人への印象を変えることができるイメージ効果のうちクレショフ、バンドワゴン、フレーミング効果について詳しく解説した記事もあります。

[sitecard subtitle=関連記事 url=https://www.gg-pr.jp/posting_image/ target=]

ポスティングにピークエンドの法則を活用する方法

この項では、ポスティングチラシにピークエンドの法則を活用する方法を紹介します。

ポスティングチラシを作成するときには、感情がピークとなる情報をどこで伝えるか、エンドでは何でポジティブ感情を高めてもらうかを意識することで、評価や反響率を高めることが期待できます。

例えば、テレビCMの最後に「〇〇で検索」と伝えるときにはピークエンドの法則が働いています。

CMの途中に気になるワードを伝えることで感情がピークとなり、エンドで「〇〇で検索」とCMを終わらせることで、視聴者には「気になる」といった感情が残ります。

ポステイングチラシにおいても、詳しく聞いてみたくなるような情報(ピーク)を記載し、最後(エンド)の文面に「お問い合わせしてくださった方に『限定の〇〇』をプレゼント!」と行動するメリット記載することで、お問い合わせをすることに対してポジティブな印象を残せば興味をもってもらいやすくなります。

ただし、情報を伝える順番には注意が必要です。

営業トークやプレゼンなどのビジネスシーンにおいては、起承転結といった徐々に盛り上がっていく順序で構成できますが、ポスティングチラシはそうはいきません。

ポスティングチラシは手に取った瞬間に興味を持ってもらえなければ、捨てられてしまう可能性があるため、初見で感情を強く動かす演出が必要です。

じっくり見てもらえないことを前提に、ピークとエンドをいかに全面的に打ち出すかがポスティングチラシ制作において重要なポイントです。

例えば、「今が一番お得な時期」と打ち出すことで、読み手は今見たい感情を強く動かされ、チラシを手にした瞬間にインパクトを受けやすくなります。

また、最後に「特典付き」などと付け加えることによって、お得なチラシだというポジティブな印象をもってもらいやすくなります。

具体的には、従来の価格を記載した上で「30%割引き!」と大きく打ち出し、割引後の価格も一緒に記載することで「今がお得だ」とのイメージを覚えてもらい、購買意欲を掻き立てます。

購買後をエンドとして考える場合、「完売につき再入荷」と記載するなどして小分けに販売する方法も有効です。

人気商品で手に入りにくいイメージをもたれやすくなりますが、購入した後には希少な物を手に入れたとの満足感や優越感を感じてもらいやすくなります。

また、購入を迷っている場合「すぐに完売したらどうしよう」と焦る気持ちが芽生え、購入することへの意思決定を後押しします。

手に入れにくい商品やサービスの価値が高く見積もられることを経済学用語で「希少性の原理」と呼び、その効果や仕組みについてまとめた記事も作っています。

[sitecard subtitle=関連記事 url=https://www.gg-pr.jp/posting_kisyosei/ target=]

ポスティングチラシにピークエンドの法則を使って高い評判を得る方法まとめ

・ピークエンドの法則は、感情が最高潮である「ピーク」と最終局面である「エンド」の印象によって出来事の記憶を左右する心理現象です。

・最初にネガティブな感情を抱いたとしても、最後にポジティブな感情を強く抱いた場合、最初のネガティブな印象は薄れ、最後のポジティブな感情が強く印象に残ります。

・ポスティングチラシを作成するときに、お得だと強く感じるようなインパクトのある演出と、最後にメリットを高められる情報を載せることで、価値があるチラシだと感じてもらいやすくなり高い評価が得られます。

 

 

投稿者プロフィール

渡辺 修平(Shuhei Watanabe)
渡辺 修平(Shuhei Watanabe)