年収は働く業界によって相場とされる範囲が大体定まっていますが、ポスティング業界で働いた場合、どれくらいの年収が見込めるのでしょうか。

希少価値の高い専門職や引越しを伴う転勤の多い職種は、高給の職種の例としてよく挙げられます。

仕事を通してお金の動く量が会社の規模や給料に影響していると言ってもよいでしょう。

ポスティング業務の採用条件では、特別な資格は求められておらず、地域特化していることが多いので、転勤を伴う異動が必ずあるわけではありません。

そこで、具体的にポスティング業界での雇用形態による年収の違いや他業種との年収の違い、年収を上げるコツについて詳しく解説します。

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ポスティングで得られる年収

ポスティング業務の雇用形態には、主に時給制や歩合制で働くパート・アルバイトや月給制で働く正社員があります。

どの採用枠で働くかにより年収は異なり、それに伴い業務内容や業務責任の範囲も異なるので、それぞれの違いを解説します。

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パート・アルバイト

パートやアルバイトは、働ける時間に個人差があったり勤め先によって業務量のムラが生じる可能性もあるので、一概に年収で計ることは難しく、時給で考えるのが一般的です。

ポスティングにおけるアルバイト・パートの時給は853円~1,173円となっており、収入の幅の広さが特徴的です。

時給の幅は以下の項目によって左右します。

  • 働く地域の需要と供給バランス
  • 業者が採用している働き方や配布条件
  • リーダーを任されるなどの昇給によるもの

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働く地域の需要と供給バランス

基本的に都市部は企業や人が集中していて、物やサービスが売れやすく、取引や営業効率が上がるため賃金が高くなりやすいです。

業種に関わらず地域による賃金差は生まれるものですが、マクロ的な視点で見れば健全な経済活動のために賃金差は必要です。

例えば田舎の失業率が上がったイタリアでは、その原因について「最低賃金の引き上げを行ったことにより、業者の雇える人数が減ってしまったから」との指摘を国際機関から受けています。

つまり、地域の賃金格差を安易に埋めることは現実的ではなく、受け入れざるを得ないのが実情です。

ポスティング業界でも勤務地によって相場感に差があります。

業者が採用している働き方や配布条件

ポスティングスタッフの働き方には、主に時給・日給制と歩合制の2つがあります。

時給・日給制では、仕事量と勤務時間があらかじめ決められており、グループでポスティングを行う制度を採用していることがあります。

決められた時間に働くので、業務での拘束時間に対して最低限の賃金を確保できるのがメリットです。

一方、歩合制は1枚当たりの配布単価が決められており、配布した枚数に応じて報酬が支払われるため、働いた分だけ確実に収入アップにつながります。

働く時間が決められていないため自由が利きますが、作業量と作業効率次第で収入は高くも安くもなります。

業務に慣れていくにしたがった効率は上がっていくので、ある程度慣れてからの賃金をベースに考えましょう。

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リーダーを任されるなどの昇給

アルバイトやパートでも、リーダーのポジションが設けてあり昇給可能な業者であれば、徐々に時給アップも可能となります。

一般的な配布スタッフはポスティング作業のみを行いますが、リーダー業務では配布スタッフの送迎やスタッフの業務管理、新人指導といった人を束ねる仕事が加わるため、リーダー給が上乗せされます。

また、スタッフに長く続けてもらいやすい環境を作るために、細かく昇給のランク分けをした制度を設けている業者もあり、高頻度で働けるスタッフや長期で働きたいスタッフにメリットの感じやすい制度となっています。

業者によっては「正社員雇用制度」を採用しているので、非正規雇用から正社員への転向も可能です。

ポスティングスタッフは未経験での応募が多く、初心者からでも取り組みやすい業務なので、誰もが昇給のチャンスを得やすい仕事であり、時給の上がり幅があります。

正社員

ポスティング業者で社員として働く場合、平均年収は約336万円となっており、これは日本全体の年収の中央値にあたります。

中央値とは、統計全体の順位がちょうど半分である値のことです。

平均値だと全体のボリュームの真ん中の値をとるので、一部の高所得層に値が引き上げられてしまうことから、中央値の方が一般的な感覚に近い年収と言われています。

正社員が配布を行う業者もありますが、配布はアルバイト・パートがメインとなるため管理業務全般を担うことがほとんどです。

管理業務では、配布の管理やスタッフへの指示出しをして、業務全体を円滑に進めるマネジメントの役割を担います。

関わるスタッフはアルバイト・パート、社員、協力会社など多岐に渡り、新人育成やスタッフ教育も業務に含まれています。

仕事を采配するにあたり、個々の要望を聞き入れたり、全体で効果的かつ効率的な指示をだす必要があるため、判断力・コミュニケーション力・情報収集力といったスキルが特に活かされやすいです。

正社員ではポスティング業務に関わる仕事以外にも、営業部門やチラシのデザイン部門のある業者もあり、職種もさまざまです。

営業部門では、お得意先やお問い合わせ先との商談、依頼先とのポスティングの進め方や戦略の打ち合わせ、内部への取り次ぎなどを行います。

管理業務と営業を兼任している業者も多く、チラシの折り作業や配布準備などの作業に携わることもあります。

デザイン部門の業務は、illustratorやPhotoshopなどのデザインソフトを用いたチラシ作成です。

お客様の戦略や訴求内容を考慮しながら、目に留めてもらいやすく魅力が伝わるようなチラシを書いていくのですが、業者によってはある程度テンプレート化していることがあります。

デザイン部門は外注化やお客様の持ち込みで対応している業者もあるため、必ずあるわけではありません。

しかし、自社で抱えていた方が以下の事項が可能になるため会社にとってメリットがあります。

  • デザイン料としてのマネタイズ
  • 外注化より安価での提供
  • オリジナル性のある提案

正社員は専業として働く分、アルバイトやパートよりも高い専門スキルやコミュニケーション力などが求められるのは大変なことでしょう。

ただ、お客様からの感謝を直に受けたり、作業が進んでいくごとに達成感を味わいながら、日本全体の中央値の年収を見込めるのは、やり甲斐と安定があって魅力的です。

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ポスティングの年収を他業種と比較

ポスティングの業種は、大きな括りにするとサービス業に属します。

似たような業種には、広告代理業務を行う広告業や日本郵便の行っている郵便業がありますが、広告媒体や郵便物は取り扱わないため、明確に区別されています。

しかしながら、サービスで取り扱う内容は広告関連であることや、チラシの制作、各家庭に配布を行う業務内容は、広告業・郵便業・さらには新聞・印刷業に相通ずるものがあります。

2019年度マイナビ転職による掲載された求人より調査された「モデル年収調査」による他業種の年収例を挙げると、以下の金額が見込めるようです。

  • 広告業:約548万円
  • 新聞・出版・印刷業:約479万円
  • サービス業:約483万円

広告業といえば、マスメディアと取引の多い電通などの大手企業や、スマホでの広告市場でシェアの大きいサイバーエージェントのような大手企業は年収が高いことで有名です。

しかし高所得は一部の大手企業の例であり、広告業全体でいえば中小企業がほとんどで、他業界と比較しても年収は標準的かやや少なめに分類されます。

新聞・出版・印刷業の中でも、ポスティング業務と比較されやすいのは、折り込みチラシを配布する新聞配達業でしょう。

新聞配達業では、独自にチラシの配布業務を請け負いポスティングの兼業を行っている業者もあります。

正社員で新聞配達をする場合は、新聞以外の配達業務や新聞の営業・集金業務など仕事内容も多岐に渡ります。

郵便業は、配達だけでなく窓口業務や集荷などの管理業務など、実際にはポスティングと異なる業務内容が多いです。

ポスティングの接客業務は企業相手の案件がメインですが、郵便局の窓口業務は消費者への対応がメインなので、似て非なるものです。

郵便局員の年収は、地域採用か総合職か、出世して管理職になれたかなどの細かな条件で大きく分かれますが、平均年収は約798万円と高めになっています。

しかし、郵便配達員に限定すると平均年収は大きく下がります。

ポスティングの年収は日本全体の中央値であり、類似した業界の職種と大差はないため、一般的といえるでしょう。

ポスティングの年収を上げるコツ

ポスティング業界で同じ時間働くのであれば、年収幅の中でもできるだけ高い収入を得て働きたいものです。

年収を上げるにはスキルアップが不可欠ですが、効率良く成果と収入を上げるために意識すべきポイントが3つあります。

・効率を上げて仕事量を増やす
・単価の高く仕事量の多い業者を選ぶ
・信頼を得て昇給を狙う

どの雇用形態に関わるのか触れながら、順に解説していきます。また、副業として行うポスティングで年収を上げる方法については以下の記事を確認してください。

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効率を上げて仕事量を増やす

アルバイト・パートでは仕事量と効率で収入が変わります。

特に歩合制の場合は配布枚数によって収入が決まり、効率を上げなければ数がこなせないため、仕事量を増やすことが収入アップに繋がります。

時給制の場合は出勤時間であらかじめ収入が決まりますが、予定していた配布枚数を早めに配り終えても、予定していた時間分の給料から減額にならない業者もあるため、効率化は時間単価アップにつながります。

正社員の場合、仕事量によってインセンティブが発生することはほぼありません。

しかし社員のキャパシティを広げておくことで、会社全体として受注できる仕事量を増やせるようになるので、長い目で見ると業績アップ・収入アップに貢献できます。

報酬が高く仕事量の多い業者を選ぶ

歩合制であれば配布単価、時給制であれば1時間当たりの報酬がスタッフの収入に直結します。

業者選びの段階で、報酬があまりにも安すぎるところを選ばないように意識する視点をもつことが重要です。

また、歩合制だと依頼を受けた仕事量が収入に直結するため、業者の抱える仕事量が多いこともポイントになります。

時給制の場合も作業量によって時間が区切られるため、そもそも配布依頼がないと業務は割り当てられません。

つまり「業者の営業力が収入に直結してくる」と言っても過言ではないでしょう。

とはいえ、リピーター獲得のためには丁寧で信頼を得られるポスティング作業が不可欠なので、スタッフ一人一人が仕事に向き合っている業者こそ、業績と収入が伸びていくのではないでしょうか。

信頼を得て昇給を狙う

アルバイト・パートにとって年収を上げるメインの方法は昇給です。

ランク制度やリーダー給を取り入れている業者であれば、信頼を積み重ねて人を束ねるポジションになれば昇給が可能です。

リーダーは現場責任者としての役割があり、配布スタッフのグループを現場まで送迎したり、スタッフ管理を行ったりします。

専業で働けるのであれば、社員へ転向するチャンスのある業者に勤めることや、他業者の社員採用に応募して転職活動を行うことも検討するとよいでしょう。

もともと社員採用の場合も、最初はポスティング業務の担当となることがあり、徐々に管理業務や営業へシフト・昇給していくパターンもあります。

いずれにしても、リーダーに抜擢されるには社内で評価されるのが大切ですので、周囲との良好な人間関係や社内風土との相性の良さ、正確な業務遂行といったように、小手先の仕事をするのではなく誠実に取り組む姿勢が大切です。

ポスティングの年収について解説まとめ

・業者によるルールの違いや雇用形態、地域差により、業界内でも年収は異なります。

・ポスティングの年収は条件によって差があるものの、ポスティング業界としてみると日本全体の中央値です。

・ポスティングでは仕事量や昇給によって収入が変動するため、努力次第では年収アップが見込めます。

投稿者プロフィール

中村 結衣(Yui Nakamura)
中村 結衣(Yui Nakamura)