ポスティングは低コストで手軽に行うことができ、商品・サービスの購入に繋がる可能性がある手法です。

またポスティングは、人がもつ心理である「返報性の原理」を活用することで、反響率アップが見込めます。

今回は「返報性の原理」を活用したポスティングについて解説していきます。

またポスティングに関する情報を網羅した記事がこちらにありますので、他にも知りたいことがあれば確認してみてください。

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ポスティングに活用できる返報性の原理とは

返報性の原理は、私たちのコミュニケーションの中で自然に作用していますが、理解した上で活用すれば理想の状況を生み出しやすくなります。

ポスティングに活用するため、まずはどのような原理か理解しましょう。

・返報性の原理の意味と種類
・返報性の原理は古くから活用されている

返報性の原理の意味と種類

返報性の原理とは、他者から何かをもらったときに「お返しをしなければいけない」と感じる心理のことです。

返報性の原理は大きく分けて下記の4種類があります。

好意の返報性

相手から受けた好意に対して、こちらも好意で返したくなる心理です。

例えば、職場で仕事の納期が間に合わなさそうな時に、同僚が手伝ってくれたおかげで納期までに仕事を納められたとしたら、あなたは手伝ってくれた同僚に対して「何かの形で恩を返さなければ」と思うでしょう。

この場合の「人は手助けをされると、手助けしてくれた人を助けたくなる心理作用」は好意の返報性が作用しています。

相手から笑顔で挨拶を受けたら笑顔で返したくなることも、この心理によるものです。

敵意の返報性

相手から敵意を向けられると、反射的に敵意で返してしまう心理です。

例えば、不本意なクレームで相手から攻撃的な口調で責められると、敵意の返報性が働き反論したくなるかもしれません。

しかし言葉や態度に出してしまうと、相手にも敵意の返報性が働き、ますますヒートアップしてしまうことでしょう。

またポスティングの際に、チラシが雨に濡れた状態で投函されていたり、ポストに押し込まれて入っているなど、チラシを雑に渡されてしまうとクレームにつながりやすくなります。

このように返報性の原理はマイナスに働くこともあります。

譲歩の返報性

何かを譲ってもらったときに自分も譲ろうとする心理です。

ドアの前で同時に出入りをしようとしたときに、お互いに「どうぞ」と譲り合うのは、この心理の現れです。

ビジネスでは「ドア・イン・ザ・フェイス」という返報性の原理を活かしたテクニックがよく使われています。

初めに受け入れがたい要求を行い、徐々に要求のレベルを下げることで、相手の承諾を得る交渉術です。

例えば、最初は商品を高値で提示し徐々に値段を下げることで、相手は「値段の引下げをしてもらった(譲ってもらった)ので買わないと申し訳ない」という心理が働きます。

自己開示の返報性

自分の素性を相手に開示することで、相手も心を開きやすくなる心理です。

相手を警戒し自分の事を話さなければ、相手も同様に自分の事を話したがらないでしょう。

例えば、取引先の相手から意見を聞きたいとき、質問する前に自分の考えを先に伝えたり、なかなか人に言いづらい内容をあえて伝えることで、相手に話しやすいと思ってもらいやすくなります。

このように自己開示の返報性は、お客様や職場での人間関係が築きやすくなります。

返報性の原理は古くから活用されている

返報性の原理は、1960年にアメリカの社会心理学者であるグールドナー氏が提唱しました。

しかし歴史をたどると、中国の春秋戦国時代に、すでに返報性の原理を政治に活用した人物がいました。

後に斉国の首相になる管仲(かんちゅう)という人物です。

当時の国王に「斉を強国にするにはどうすればよいか」と尋ねられた管仲は、農民が農業をやりやすくするために、国がお金を投入して開墾を手伝うことを提案しました。

管仲の提案通りに実践すると、農業が発展して年貢が集まるようになったため強国となれたというエピソードです。

先に富を生むための資金援助を行うことで、年貢として多くの見返りがあったのは、返報性の原理が働いた結果です。

人は無意識的に返報性の原理に沿った行動をしているため、現代においてもビジネスや恋愛など、さまざまなシーンで活用できます。

相手に利益を先に提供することで返報性の原理が働くことを理解し、ポスティングに応用すれば、商品購入などの成果につながる可能性が高まります。

返報性の原理を活用したポスティング手法の例

返報性の原理は、人の心理に作用して行動にも影響を及ぼします。

そこで、返報性の原理をポスティングに活用するため、具体的な手法を3つ紹介します。

・手法1.無償サービスを提供する
・手法2.試供品やサンプルを先に渡す
・手法3.上質なチラシを用意する
・返報性の原理を活用したポスティング手法の成功例

手法1.無償サービスを提供する

商品を購入した時におまけを付けることや、服屋で試着を何度も可能にしているのは返報性の原理を活用している例です。

いずれも顧客がお金を出していないのにサービスを受けていると感じやすいため、「おまけをしてくれたので、また機会があれば購入したいな」「何度も試着をさせてもらったので買わないと申し訳ないな」といった返報性の原理が働きます。

無償サービスを提供できるのであれば、利用者を増やすためにポスティングチラシに記載して周知しましょう。

ほかにも、ノベルティは日常生活で頻繁に使われるボールペンやポケットティッシュなどにすると、それを使う際に商品名などが何度も目に入り広告効果が長くなるなど、ノベルティを使ったポスティングについてまとめた記事もあります。

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手法2.試供品やサンプルを先に渡す

コーヒーショップでの試飲や食品売り場での試食などが典型的な例です。

顧客へ先に利益をもたらすことで、顧客は「無償でモノをもらったので、お返しをしないといけないな」という思いを抱きやすくなります。

モノを渡す場合は、喜ばれるような希少性が高いモノを渡す、さりげないモノで強引さをなくすといった配慮をするとより効果的です。

ポスティングの場合、チラシを見て連絡した顧客には試供品を渡すといった施策を打てば、先に顧客へ利益をもたらせるため、購買意欲が高まるきっかけになります。

手法3.上質なチラシを用意する

ポスティングの場合、厚手で上質な紙のように特別感のあるチラシや封筒が投函されると好意の返報性が働きます。

コストがかかっていると相手に伝わることで、丁寧にされていると感じやすくなるからです。

用紙には写真や色を多く使う場合には光沢紙、ツヤを抑えて高級感を演出できるマット紙などの種類があり、ポスティング効果にも違いが出る用紙について詳しい記事があるので参考にしてみてください。

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返報性の原理を活用したポスティング手法の成功例

ある不動産会社ではポスティングするチラシに「『住宅を購入する前に知っておきたいこと』の冊子を無料でプレゼントするので、お気軽にお問い合わせください。また、冊子だけで満足できない場合はファイナンシャルプランナーの無料相談も実施いたします」と記載しました。

この事例では、先に冊子を渡し、無償の相談サービスを提供することで、2つの手法を同時に実施しています。

チラシを受け取った顧客へ商品をアピールするのではなく、先に利益を提供したことによって、返報性の原理が働き不動産の成約に大きく貢献しました。

このようにポスティングチラシを用いて返報性の原理を活用すれば、大きな成果に繋がることがあります。

ポスティングに返報性の原理を利用する際の注意点

ポスティングに返報性の原理を活用する際には、受け手に恩着せがましいと捉えられないように注意する必要があり、あくまで「さりげなく」行うことが大切です。

例えば、試供品として高価過ぎるものを渡すと、相手を心理的に断れなくする意味合いが強くなるため、相手は引いてしまいます。

また、試供品やサンプルを提供した後、執拗にセールスを行うことや見返りを求めることも逆効果です。

人は相手に下心や強制力を感じると嫌悪感を覚えるので、強引に詰め寄るようなやり方は避けるべきです。

ポスティングには返報性の原理を活用できる!ポスティング手法の例を解説まとめ

・返報性の原理とは、他者から何かをもらったときに「お返しをしなければいけない」と感じる心理のことで、人は無意識に影響を受けています。

・ポスティングに返報性の原理を活用するためには、先に無償サービスやサンプルなどを提供し、さりげなく恩を感じてもらうことが効果的です。

・高価なモノを渡すことや、サービス提供した後に執拗なセールスを行い見返りを求めることは逆効果です。

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渡辺 修平(Shuhei Watanabe)
渡辺 修平(Shuhei Watanabe)