インターネットが普及してネット広告が広まった今でも、その宣伝効果の高さから根強い人気があるポスティングですが、消費者にとっては不要なチラシはごみになりかねません。

全ての消費者にとってごみにならないポスティングを行うことは無理ですが、今後少しでも必要とされるチラシになるように意識しないといけません。

引き続きポスティング事業を発展させていくには、不要なチラシをなくすための取り組みが必須となってくるでしょう。

今回は、不要なポスティングチラシがもたらすごみ問題について考えていきます。

またポスティングに関する情報を網羅した記事がこちらにありますので、他にも知りたいことがあれば確認してみてください。

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ポスティングチラシの廃棄状況

全国の自治体の統計によると、可燃ごみに占める割合はチラシなどの紙類が高くなっています。

東京二十三区清掃一部事務組合の統計調査では、令和元年度、東京23区の可燃ごみにおいて紙類が42.52%と最も高い割合を示しています。

ポスティングなどに使用されるチラシは「雑がみ」と言って、本来資源になるものですがポストに数枚入っているチラシをわざわざまとめて古紙回収に出す手間を考えると、消費者は可燃ごみに捨てていると言えるでしょう。

可燃ごみが増えると、その分燃やすためのエネルギー資源や灰を埋めるための土地が必要になり環境に負担を与えてしまいます。

持続可能な社会にしていくには、今後一層環境問題に対する取り組みが強化されていくため、ポスティング業界でも不要なチラシを減らす方向に変化していく必要があります。

ポスティングチラシの重要性

ポスティングチラシは、1970年代ごろから発展してきた広告の一つです。

インターネットが普及しても、視認率(見てもらえる確率)が高い宣伝手段のため、ポスティングチラシの需要は衰えず多くのポスティング事業者が新規参入している事業です。

依頼者やポスティング業者にとって、ポスティングチラシは事業の発展のために重要なツールかもしれませんが、受け取った人はどう感じているのでしょうか。

依頼者、ポスティング業者、受け取った人のそれぞれの立場からポスティングチラシの重要性を考えていきます。

・依頼者にとってのチラシ
・ポスティング業者にとってのチラシ
・受け取った人にとってのチラシ

依頼者にとってのチラシ

依頼者にとって、顧客の獲得や将来の売り上げを上げるためにもチラシが必要です。

特に、新聞購読者の少ない20〜40代をターゲットにした飲食店やハウスメーカーなどの地域に根付いた業種は、チラシで商品やサービスを消費者に知ってもらい、店舗に足を運んでもらうきっかけとしてチラシは重要です。

ポスティングチラシは消費者が必要な郵便物を分けるために、必ず目にされる視認率の高い宣伝手段と言われ、ローカル店舗にとってチラシは顧客獲得や売り上げの貢献に必要なものとなっています。

さらに、こちらにある飲食店と不動産の記事では適切な配布時期や時間帯に配布することで他のチラシと紛れないなど、ポスティング戦略についてあります。

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ポスティング業者にとってのチラシ

新聞の購読者数の減少やインターネットを使用しない高齢者層などにも確実に宣伝できるポスティングは、着実に事業を広げてきました。

近年、全ての世帯に配布するローラー配布だけでなく、セグメント配布と言って依頼者のターゲットの条件に合わせたエリアに配るという配布方法もできるようになっています。

ローラー配布は一度にチラシを配ることができ1枚3〜6円と単価が安くなっているため、根強い人気があります。

年齢層や性別、分譲マンションかどうかなど配布条件のあるセグメント配布は1枚5〜10円が相場であり、ローラー配布より割高になっているのが現状です。

さらに自社のチラシのみを配布する単配、他社など複数のチラシとともに配布する併配という方法があり、併配の方が割安になります。

ただし、他社のチラシとともに配布されるため、単配よりチラシを消費者に見てもらう確率が下がり、捨てられてしまうチラシが増えてしまうかもしれません。

ターゲットを絞っているセグメント配布や単配の方がごみになるチラシを減らせるのですが、広告費の安いローラー配布や配布期間を長く見積もった併配で依頼が来ることも多く、依頼を受けないと利益にならないため、ごみ問題は二の次になっています。

さらに、どのような配布方法にも柔軟に対応する「オーダーメイド配布」をしてくれる業者は、豊富な地域住居情報を有しているため信頼性が高いなど、配布別の詳しい解説がありますので自社に合った配布方法を見つけるための指針にしてみてください。

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受け取った人にとってのチラシ

必要な郵便物を取るために、郵便受けに入っていたものを分ける時間は数秒です。

一瞬で興味のないチラシはごみと同等のものになり、マンションによっては郵便受け近くにごみ箱を設置しているところもあります。

クーポン付きの飲食店や宅配サービス、無料体験のある習い事、特典付きのモデルルーム見学など消費者が取っておきたいチラシもありますが、必ずしも全てが役立つとは限りません。

また、「チラシ配布禁止」など掲示しているマンションや戸建ても多くあり、受け取る人にとってはチラシの大多数が不要であると感じているでしょう。

さらに、こちらに習い事と商品の特徴・独自性をチラシに載せることが重要などという反響率を上げるためのデザインポイントがありますのでゴミと化さないチラシにするために読んでみてください。

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ポスティングを制限する法律がない

ポスティングを制限する法律は、アダルト系の広告、いわゆるピンクチラシを配布することと配布禁止物件に配達することは禁止していますが、ポスティング業務事態を制限する法律は今のところありません。

ポスティングチラシは広告の手段としては有効であり、消費者にとって役立つことも多いですが、反響率は0.1~0.3%とも言われているため大半は捨てられていると考えらます。

そのため、ポスティングが増えるほどごみが増えていると言えるでしょう。

環境問題についての視点からポスティングに対しクレームが多発すれば、将来、国がポスティング事業に規制をかけるかもしれません。

規制がかかれば、ポスティング業界の衰退につながる可能性もあります。

セグメント配布など効果的なポスティングをより展開し、捨てられるチラシを少なくする、チラシのサイズを小さいものにする、牛乳パックを再利用したエムシーレフォルムなどの紙を使用するなど、環境に配慮した自主的な取り組みが重要になってくるでしょう。

このようにポスティング業自体には法規制はありませんが、誤解を与えるような表記はしないなど広告には法律で規制されている事柄がありますので、法に触れないチラシ作りの参考にしてください。

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不要なポスティングがもたらすごみ問題についてまとめ

・ポスティングチラシなど含む紙類は、可燃ごみの中で最も高い割合を占めています。

・依頼者やポスティング業者にとっては利益追求のためポスティングチラシは重要ですが、受け取る人にとっては一部を除いて不要だと感じています。

・現在、ポスティング事業の規制はほとんどないため、業界全体で環境への配慮を考え直す必要があります。

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渡辺 修平(Shuhei Watanabe)
渡辺 修平(Shuhei Watanabe)