ポスティングとは
ポスティング(Posting)とは、広告を目的としたビラやチラシを、集合住宅(アパート、マンション)や戸建て住宅、企業のオフィスなどの郵便受け(ポスト)に投函するダイレクトマーケティングと呼ばれる宣伝広告の方法のひとつです。
配布エリアを限定できることや、低単価で高い効果が期待できる(費用対効果が高い)ことなど、ポスティングには他の広告宣伝とは異なるさまざまなな特徴やメリットがあります。
一方では、ポスティングの方法を間違えると、期待した効果が得られないばかりでなく、逆に企業やお店などのイメージを損なってしまう可能性さえもあります。
この記事では、ポスティングの歴史やマーケティング分類をはじめポスティングに関するあらゆる知識と情報をまとめて掲載するとともに、効果的なポスティングを行うための方法について徹底解説します。
一日150部隊以上、月間3500万枚以上の配布実績を誇る日本全国最大級のキャラバン配布を行う名古屋拠点のポスティングの専門家集団「株式会社ポスティングサービス」がお届けします!
雇用形態(外注委託契約・アルバイト契約)による潜在的な低賃金問題や、ピンクチラシなどの違法性などポスティングを扱う業者としては触れにくい話題についても、しっかりと解説していますので是非最後までお楽しみください。
ポスティングの種類と特徴をくわしく解説!
ポスティングは、配布物の種類、配布するスタッフ、対象とする建物などによって細かく分類することができます。
ポスティングを分類する要素は、主に4つです。
・配布物別のポスティングの分類
・配布する人員別のポスティングの分類
・ポスティング業者の配布方法の分類
・配布する建物別のポスティングの分類
それぞれの種類ごとにポスティングの費用や効果には大きな差がありますので、自社の商品やサービスをより効果的にアピールするための方法を検討しましょう。
配布物別のポスティングの分類
配布物別の分類とは、郵便受けに「何を」投函するのかによるポスティングの分類です。
・ビラ / チラシ
・はがき
・封筒
・その他
一般的なビラやチラシなどの1枚物の印刷物のほか、はがきや封筒などの郵便物に近い形状の配布物もあります。また、これらの分類には含まれない珍しいタイプのものが配布されるケースも見られます。
配布物の種類ごとに効果や費用などについて解説します。
ビラ / チラシ
ポスティングにおいて最も一般的な配布物は、ビラやチラシなどの印刷物です。名刺サイズの小さなものから、A4サイズや、さらに大きなサイズを折りたたんで。投函されることもあります。
ビラやチラシは、デザインのための手間と費用がかかるものの、印刷するだけですぐにポスティングを行えますので、作業の工程がシンプルな配布物です。
配布するビラやチラシのサイズが大きくなるほど費用が高くなる傾向にあります。なぜなら、配布物の持ち運びに要する労力が大きくなるためです。
最も一般的なポスティングの配布物は、今も昔もチラシやビラです。しっかりとデザインや内容を作りこむことで反応が高まります
はがき
はがきのポスティングは、ビラやチラシの一種であると分類されるケースもありますが、狙っている効果に違いがあります。
一般の郵便物と同じサイズ(10センチ × 14.8センチ)であることから受取人の目に留まる可能性が高くなります。一方では、はがき1枚に盛り込める情報量はA4サイズなどのチラシと比べると非常に少ないです。
なお、ポスティングで投函されたはがきには宛名や住所などが記載がなく、郵便物として届いたはがきであるかどうかは受取人が簡単に判別することができます。
アンケートの回答や、パンフレットの資料請求用のハガキとして利用することも可能です。
当社では、ポスティングしたはがきを読んでいただけるように、郵便物として届いたものに近いデザインや紙の厚さになるように工夫を凝らしています。
封筒
封筒に入った資料などのポスティングは、はがきと同じく一般の郵便物と似ていることで、受取人が目にする機会が増えることが期待できます。
複数のチラシやビラを封入することができるため多くの情報を盛り込むことができますが、封入するチラシやビラの製作や封入のコストが上がります。ただし、配布コストは変わりませんので費用対効果は高いです。
ポスティングで封筒タイプの配布を行う場合には、開封率を高めるために封筒そのもののデザインにもこだわる必要があります。
その他
投函する配布物の種類を問わず、ポスティングの最終的な目的は、受取人に手に取っていただき内容を読んでもらうことです。
このため、チラシやはがきなどの一般的な形ではない「その他」に属するような個性的な配布物のポスティングも積極的に行われています。
・ティッシュ
・マグネット
・カレンダー
・マスク
・うちわ
・商品サンプル
・商品券(割引券)
・カタログ
ティッシュやマグネット、マスク、商品サンプルなどの受け取った方にとって実用性の高いものを配布したり、商品券やカタログなどの会社をアピールする印刷物を配布するケースなど種類はさまざまです。
当社が過去に実施したポスティングでは、子供向けサービスを提供する企業からの依頼を受け、チラシで紙ひこうきを折って配布させていただきました。
冷蔵庫の扉に貼り付けられて長期的に利用される可能性が高いマグネットタイプの広告などの「その他」の配布物の制作は、当社「ポストサービス」の得意とするところです。
配布する人員別のポスティングの分類
人員別の分類は、郵便受けに「誰が」配布物の投函を担当するのかの違いによるポスティング分類です。
・自社スタッフ
・臨時アルバイト
・ポスティング業者
・キャラバンポスティング
配布物を投函するための人件費は、ポスティングにかかる費用全体の大きなウェイトを占めますので、配布する人員の選択はとても重要です。
それぞれの配布する人員ごとの分類の特徴について解説します。
自社のスタッフで配布する
お店や店舗などで働いているスタッフやパートの方が、来客の少ない時間などを利用して自らポスティングを行うケースは珍しくありません。
メリット | ・固定費(人件費)の中で配布ができる ・知っている人が配布するので安心 ・地域の方とのコミュニケーションができる |
デメリット | ・1枚あたりの配布コストが高くなりがち ・スタッフの精神的負担が大きい ・慣れていないためトラブルが多い ・本業のサービスの質の低下 ・配布をサボるスタッフの管理が困難 ・配布中に事故が発生する可能性 (使用者責任による損害賠償の恐れ) |
配布することができるエリアが極めて狭くなることがデメリットですが、現状の固定費(人件費)の範囲内で行う広告活動であるため、追加のコストをかけることなくポスティングが行える可能性があります。
ただし、時給換算で計算すると1枚当たりの配布コストが数百円になってしまうケースがあるほか、不慣れなポスティングをする精神的な負担は大きいため、スタッフ離れの原因になったり、本業でのサービスの質が低下してしまうことがありますので注意が必要です。
臨時のバイトを雇用して配布する
ポスティングを実施するために臨時のアルバイトを雇用するケースも考えられます。
メリット | ・好きなペースで自由に配布ができる ・常に最新の情報を確認できる |
デメリット | ・サボりや投棄の監視が大変 ・1枚当たりの配布コストが高くなる ・不要なトラブルが発生する可能性 ・配布中の事故が発生する可能性 (使用者責任による損害賠償の恐れ) |
本業のスタッフが配布を行わないことで本業のサービス低下などの懸念はなくなります。ただし、不慣れなアルバイトが配布を行うことで、時給を配布枚数に換算してみるとコストが高くなってしまうケースが多いです。
また、お店や店舗に対する愛着の無い一時雇用のアルバイトは、チラシの配布をサボっていたり、チラシを道端に投棄してしまうなどのトラブルも発生しています。
ポスティング業者に依頼する
ポスティングに関する知識や経験を持った業者に依頼することで、配布にかかる手間を無くすことができます。
メリット | ・すべてを任せることができる ・広範囲かつ大量の配布が可能になる ・配布にかかる単価が安くなる ・専門的なアドバイスが受けられる |
デメリット | ・リアルタイムの状況が把握できない ・悪質な業者だと効果が期待できない ・ちゃんと配布されているかどうか不安 ・配布の確認が煩雑になる |
ポスティング業者では、配布のための人員やグループが確保されており、法律やルールも熟知しているため、不要なトラブルを避けながら効果的な配布を行います。
また、自社のスタッフや臨時アルバイトによるポスティングと比べると、配布にかかる1枚当たりのコストは圧倒的に安くなります。
ただし、業者によって配布のための体制やモラルには大きな差があります。悪質な業者に依頼すると、ポスティングの効果が出ないばかりか、トラブルの原因にもなります。
ポスティング業者の配布方法による分類
全国各地にはポスティングを専門とする業者や会社が数多く存在しており、業者ごとに採用している配布方法が異なります。
ここでは大きく3つの方法に分類し、依頼主からは見えにくいポスティング業者ごとの配布方法を紹介し、その効果の違いについて解説します。
・在宅ポスティング
・移動ポスティング
・キャラバンポスティング
在宅ポスティング
ポスティング業者の大半が採用している一般的な配布方法です。
配布スタッフがポスティング会社の倉庫を直接訪れ、一定期間内に配布可能な数量のチラシを受け取り、都合の良い時間帯に単独で配布物の投函を行う方法です。配布完了後、スタッフはポスティング会社に対して完了報告を行います。
メリット | ・配布費用を安く抑えられる ・ポスティング会社にとって管理が単純で分かりやすい ・配布スタッフを集めやすい |
デメリット | ・不正の温床となり、配布されないケースもある ・配布スタッフの賃金は最低時給を下回る ・チラシの管理をスタッフが行うため、扱いが雑になる ・チラシの配布情報などの管理が徹底できない |
配布スタッフはオフィスなどで受け取ったチラシをまとめて自宅に持ち帰り、1日に配布可能な枚数だけを持ってポスティングに出掛けるという形態であることから、在宅ポスティングと呼ばれます。
在宅ポスティングを行う業者では、配布スタッフの管理を徹底しているものの、在宅ポスティングではチラシの取り扱いから配布までをひとりのスタッフに任せるため、チラシの取扱いについては、限界がありどうしても様々なトラブルを抱えてしまうケースがあります。
アルバイトの給料は「時給制」と「歩合制」の2種類があり、多くの場合にはチラシ1枚あたり1円から3円程度の歩合制が採用されています。
ポスティング会社は配布スタッフにチラシを渡せば、あとは完了報告を待つだけで済むために配布や管理にかかるコストが安くなりますので、自ずと依頼主が負担するポスティング費用が安くなることがメリットです。
ただし、配布について「いつ、どこで、誰が、何を、どのように配布しているか」の管理は、すべて配布スタッフの事後報告による確認しかできないため、どうしても依頼主が本来期待していたポスティングのクオリティーに達しないケースも多くあります。
在宅型のポスティングは時間による管理ができないため、歩合制による報酬体系にならざるをえません。この為、もし完了報告などに「ウソ」が混ざっていてもポスティングスタッフは報酬を得ることができる仕組みであることから、結果的に不正の温床となっています。
近年問題になっているのは、各都道府県が定める最低時給を大きく下回る対価しかえれないことも少なくなく、ポスティングのスタッフの弱みに付け込んだ管理体制とも言えます。
さらに配布スタッフだけでは対応できない現場でのトラブルの発生によって、依頼主にクレームの電話が入るケースがあるなどのデメリットがあることも事実です。
本当はポスティングスタッフは悪さをしないという「性善説」に立った管理をしていきたいですが、お客様の大切なチラシの管理は、そのような甘い考えでは管理できないと考えています。
当社では、「ウソ」をつけない仕組みを取り入れることで、徹底した管理を行っています。
移動ポスティング
オフィスなどに出社した配布スタッフが、1日に配布可能な枚数のチラシを受け取ってから指定されたエリアへと移動してポスティングを行う形態を、移動ポスティングと呼びます。
メリット | ・不正がしづらくなる管理体制 ・日給としての管理が可能 ・配布の確認がしやすくムラが少ない ・チラシを会社で保管することができ、扱いが良くなる |
デメリット | ・在宅ポスティングと比べ、価格が高くなる ・拠点を中心とした範囲しか対応できない ・拠点から遠くなるほど配布コストがあがる ・1日の最大配布部数を伸ばしずらい ・ポスティング会社には大きな倉庫が必要となる ・内職などの作業場所が必要となる |
移動手段には、自転車や原付バイクなどが用いられ、複数のスタッフがひとつのエリアを分担しながらポスティングが行うケースも多いです。
在宅ポスティングと比べると配布を行うスタッフへの指示や管理が細かく行われるため、チラシなどが配布されずに投棄される可能性が減り、配布のムラがなくなるなどのメリットがあります。
配布スタッフの成果体系には、歩合制だけでなく時給制が取り入れることが可能になります。
依頼主にとってはポスティングの費用負担が多くなるものの、より正確に配布状況について知ることができ、より安心して配布を依頼することが可能です。
また、拠点から遠くなればなるほど費用が高くなることも移動ポスティングのデメリットです。
キャラバンポスティング
キャラバンポスティングとは、5人程度の配布スタッフが集まってから車両で配布エリアへと向かい、リーダーの指導のもとでグループでポスティングを行う方法です。
メリット | ・いつ、どこで、誰が、どのように配布しているかを正確に把握できる ・どこにでも配布に行くことができる ・遠方であっても効率よく配布することができる ・万が一のトラブルにもすぐに対応できる ・チラシを現場まで管理徹底できる ・管理ができるので効果が高い ・不正ができない |
デメリット | ・多くの車両や自転車などの設備が必要となる ・保管のための倉庫や、内職のための機材が不可欠となる ・すべてのエリアの正確な情報を保持する必要がある ・エリアによっては価格が高くなることもある |
在宅ポスティングや移動ポスティングなどの個人でのポスティングとは異なり、複数のスタッフがひとつのエリアを分担しながら配布を行います。
配布エリアの近くにリーダーがいることで、チラシが配布されないというリスクは大幅に減り、トラブルの発生時にも即座に対応できるという特徴があります。
また、配布エリア近くにチラシを積み込んだ車両が待機しているため、配布スタッフが1度に持つチラシの量を減らすことができるため、スタッフの肉体的な負担を軽減することにも繋がります。
移動ポスティングと比べると、スタッフ全員が揃って配布へと出掛けるため、遠方であっても効率よくポスティングが可能であることもメリットのひとつです。
当社「株式会社ポスティングサービス」は、キャラバンでの配布を得意としているポスティング業者です。費用を抑えるための仕組みを構築して、低コスト(1枚1円~)で効果の高いキャラバン配布を実現しています!
配布する建物別のポスティングの分類
最後に、ポスティングの最大のメリットである配布対象の種別による分類です。
ポスティングによる配布対象の絞り込みは、具体的な差別化が可能な基準さえあれば、どのような条件にでも対応が可能です。
・集合住宅
・一軒家
・工場 / オフィス
建物による分類を行う理由は、そこに住む人々の属性の違いを利用して受取人の絞り込みを行うためです。
エリアごとのダイレクトマーケティングを得意とするポスティングに、配布を行う建物の分類を加えることで、商品やサービスに適した人たちへのアプローチを行うことが可能になります。
マンション / アパート
いわゆる集合住宅であるマンションやアパートでは、建物の1階エントランスにある郵便ポストへのポスティングを行います。個人をターゲットとした商品やサービスの広告アピールに効果があります。
マンションやアパートごとにお住いの住民の属性が異なることを利用し、配布する建物を選択することによって、より細かなマーケティングを行うことが可能になります。
さらに絞り込みを行うのであれば、マンションの種別として「分譲」と「賃貸」の違いにさえこだわるケースもあります。
一軒家 / 戸建て住宅
戸建ての住宅では、玄関や門などに設置された郵便受けへのポスティングを行います。
マンションやアパートなどの集合住宅へのポスティングと同様に、個人向けの商品やサービスを効果的にアピールできるほか、比較的所得の高い属性へのアプローチが可能となります。
オフィス・工場
事業者向けの広告として、オフィスや工場へのポスティングを行うケースもあります。
法人向けの商品やサービスの広告宣伝だけでなく、従業員をターゲットとしたチラシなどの配布も効果的で、飲食店のランチを案内することなどにも利用されます。
さらに細かな指定も
例えば「戸建て住宅のうち駐車場がある家庭のみ」や「賃貸ではなく個別所有のマンションのみ」や「築年数が15年以上の戸建て住宅とマンション」など、さまざまな条件を付けて建物のセグメントを絞り込むことも可能です。
ただし、あまりに細かく絞り込みを行うとエリアごとの配布枚数が少なくなり、結果的に、配布にかかるコストが高くなるので、求める反響と費用を調整することが必要になります。
オフィスビルが多い地域や、工場や倉庫が建ち並ぶ地域でのポスティングでは、住宅向けとは異なるノウハウが必要です。
例えば、配布中の挨拶ひとつでもポスティングの効果には違いが出てくるんですよね。
ポスティングに新規参入した業種の事例
古臭いマーケティング手法であるというイメージのあるポスティングですが、ここ10年ほどの間にさまざまな業種からの新規参入があります。
新聞販売店
これまで新聞折り込みを積極的に活用してきた新聞販売店では、新聞の購読率の低下に伴ってエリアのカバー率が急激に低下していることや、収益が落ちていることを補うための施策として、ポスティングを事業のひとつに組み入れる動きが目立っています。
大手広告代理店
企業からのエリアマーケティングの要望に応えるために、大都市に拠点を置く大手広告代理店が日本全国のポスティング会社をネットワーク化したポスティング管理会社への出資を行っています。ポスティングルールの統一化や、企画提案などを行っています。
郵便局
郵便局の配達員によるポスティングサービスとして、宛名の記載されていないチラシやはがきなどを指定したエリアに対して配布するサービスが行われています。配布のプロによるポスティングが実現する一方では、ポスティング専門業者と比較して費用が非常に高いことが欠点です。
大手配送会社
荷物の配送をメイン事業とする会社のなかにも「宛名の無いDM」を配送するポスティングサービスを提供する動きが増加中です。広告代理店と同じく各地域ごとに配送パートナーを持ち、統一された配布ルールに基づいてポスティングが行われます。
チラシの起源は江戸時代、ポスティングの起源は明治?
日本国内で広告宣伝を目的としたチラシの起源は、江戸時代の”引き札”と呼ばれる店名や商品名が入ったイラスト入りの紙だと言われています。呉服屋や芝居小屋などが利用していたのでしょうか。
この「引き札を撒き散らす」という行為が、「チラシ」の語源となりました。
ただし、チラシをポストへと投函するポスティングについては、決して江戸時代から存在したわけではありません。
江戸時代には各家庭の軒先に郵便受け(ポスト)がありませんから、そもそもポスティングをすることができません。
では、ポスティングの起源は、いつからなのでしょうか。
・はじまりは明治6年以降
・昭和にポスティングの利用が拡大
・令和に再び注目を集めるポスティング
明治/大正 :日本で郵便制度がはじまる
全国各地へとハガキや封筒を届ける郵便制度がはじまったのは、1873年(明治6年)のことです。
江戸時代にも飛脚などの封書や荷物を運ぶシステムはありましたが、一般庶民が気軽に利用できるものではなく、武士や商人などのごく一部の人たちだけが利用するものでした。
今では郵便サービスはとても身近なものですが、当時はやはり一般の人々が頻繁に利用するサービスではなかったようです。
郵便制度がはじまったからと言って、すぐに各世帯に郵便受けが設置されたわけではありません。
昭和:郵便受けが普及してポスティングがはじまる
郵政省が規格型郵便受箱と呼ばれる郵便受けの設置を呼び掛けはじめたのは、1962年(昭和36年)のことです。
規格型郵便受箱は、本体の大きさが「縦22センチ×横30センチ×奥行き14センチ」で、差込口が「縦3.5センチ×幅30センチ」、全体を赤色に塗られた 鋼板製と、かなり細かく規格が定められていました。
1962年と言えば、日本は高度経済成長の真っただ中で、郵便受けの普及とともにポスティングによる企業の広告宣伝が本格的に行われるようになりました。
新聞の折り込みでは取り扱ってもらえないような業種のチラシを郵便受けに直接投函できるということがポスティングの強みとなり、一気に日本全国へと広まっていきました。
ポスティングの専門業者による大量配布が行われるようになったのは、1960年代の後半から70年代の前半にかけてのことで、その後にはポスティングが社会問題となった時期もあります。
平成:ITの登場でポスティングが少し停滞気味に?
バブル崩壊によって景気が低迷すると共に、2000年頃から日本では徐々にインターネットの利用が拡大し、手間ひまのかからないメールを利用した広告宣伝が行われるようになりました。
ただし、2000年代前半のインターネット普及期には、主な通信手段がパソコンのみに限られていたため、ポスティングを含む紙媒体への影響は限られたものでした。
私たち「株式会社ポスティングサービス」が創業したのは、インターネットが最盛期だった2007年(平成19年)のことです。古いアパートの一室で、仲間2人と共にアナログ広告の会社を起業しました。
私たち「株式会社ポスティングサービス」が創業したのは、インターネットが最盛期だった2007年(平成19年)のことです。古いアパートの一室で、仲間2人と共にアナログ広告の会社を起業しました。
インターネットの紙媒体への影響が強まってきたのは、2008年頃から普及しはじめたスマートフォンの存在です。実際に影響が出はじめたのは2010年以降のことです。
自宅や職場などの机に座ってアクセスすることが中心だったインターネットが、外出先も含めた常時接続となり、操作が容易であるため若者だけでなく高齢者も含めた幅広い層で利用が拡大しました。
こうしたインターネット広告の拡大はポスティングの需要を脅かすものですが、インターネット広告が多様化すると共に広告効果が薄れてきたことで、再び紙媒体への回帰が起こっています。
ポスティングの配布にかかるコストは一定で、ほとんど費用に変化がない一方で、インターネットを活用したウェブマーケティングでは費用が高くなる傾向にあります。
また、さまざまな広告手段を活用して潜在的な顧客へのアプローチを行うメディアミックス戦略を導入する企業が増え、紙媒体のアナログ広告としてポスティングが利用されはじめたのもこの時期からです。
既存の顧客以外のターゲットへのアプローチとして、IT関連のツールやサービスの宣伝広告にもポスティングが活用されています。
令和:ITの活用で再びポスティングに注目が集まる
少子高齢化や、新聞の購読率の低下などの環境の変化と、さらにはITを活用したマーケティング戦略の導入によって、再びポスティングが注目されるようになりました。
高齢者の世帯ではインターネットによる広告が届かず、また若い世代では新聞を購読しないために折り込み広告が見られないという状況に対して、ポスティングに期待する会社が増加しています。
また、配布エリアを決定するためにビッグデータを活用したり、配布を行うスタッフがGPS装置を所持するなど、ポスティングでのIT活用が進んでいます。
ポスティングで期待する効果を上げるためには「配布スタッフの知識や経験」と「ITによる技術や分析」をバランスよく活用することが大切な時代になりました。
インターネット以外でのアナログ広告の活用をご検討中の企業やお店に対して、当社「ポストサービス」は、ポスティングや街頭サンプリングなどの最適なマーケティング戦略を提案させていただきます。
なお、平成に入ってからのことですが、プロ野球などのプロスポーツの分野で選手が移籍する仕組みのひとつとして「ポスティングシステム」という方式が知られるようになりましたが、広告のポスティングとは全く無関係です。
広告の種類とポスティング
世の中に存在するさまざまな広告やマーケティング手法のなかで、ポスティングがどのように分類されているのかについて解説します。
ポスティングは、マーケティングを分類する大きなカテゴリのなかでは、ダイレクトマーケティングとエリアマーケティングに属しています。
・マスマーケティング
・ダイレクトマーケティング
・エリアマーケティング
大衆に向けて同じ内容を宣伝する「マスマーケティング」
いわゆる4大マスメディア(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)を使って広告宣伝することで潜在顧客に対してアプローチする手法は、マスマーケティングと呼ばれます。
少し衰えが見えはじめているものの依然として強い影響力を持っているマスメディアを活用することで、広い地域に住んでいる幅広い年齢層に対してアプローチすることができます。
また、近年ではWEBやSNS、Youtubeなどもマスマーケティングの一部として扱われることがあります。
対象エリア | ・テレビやラジオの放送エリア ・新聞や雑誌の販売エリア |
対象世帯数 | ・数十万、数百万世帯~ |
制作物 | ・テレビ:映像 ・ラジオ:音声 ・新聞と雑誌:紙面データ |
メリット | ・広範囲へのアプローチができる |
デメリット | ・費用が高額である ・地域での絞り込みの精度が低い |
マスマーケティングの強みは、なんと言っても広範囲に住む人々に対して一斉に認知させることができることです。
新聞の折り込みチラシは、地域の販売店が取り扱っているものですので、マスマーケティングには含まれません。
消費者に直接アプローチする「ダイレクトマーケティング」
マスメディアを通じて大衆へと広告宣伝するマスマーケティングに対して、直接的に消費者にアプローチするのがダイレクトマーケティングと呼ばれる手法です。
ポスティングやDM、街頭サンプリングなどがダイレクトマーケティングの代表例で、マスメディアなどの媒体を介さずにチラシやフライヤーの配布などを行います。
対象エリア | ・自由に選べる |
対象世帯数 | ・1世帯~ |
制作物 | ・チラシ ・パンフレット ・その他の配布物 |
メリット | ・費用対効果が高い ・コストを安く抑えられる ・対象世帯数を自由に選べる ・広告内容の自由度が高い |
デメリット | ・広範囲に拡散する影響力はない ・手間ひまがかかる |
メディアや媒体を介さないことで、広告宣伝を実行するための最低コスト(初期費用)が低いために取り組みやすいことだけでなく、最終消費者に直接アプローチすることで高い効果が得られる(費用対効果が高い)ことがメリットです。
また、メディアや媒体の掲載ルールのような規定がないため、広告の自由度が高いのも特徴です。
ダイレクトマーケティングという言葉を最初に使い始めたのは、ニューヨークを拠点とする世界的な広告代理店であるワンダーマン社の創始者レスター・ワンダーマン氏だそうです。
地域を限定してアプローチする「エリアマーケティング」
放送エリアや配布エリアなどの広い範囲を対象としているマスマーケティングに対して、特定の地域に絞って潜在顧客へのアプローチを行う手法を、エリアマーケティングと呼びます。
訪問販売や新聞の折り込みチラシ、ポスティングなどがエリアマーケティングに含まれていて、商品やサービスを購入する可能性のある顧客が住んでいるエリアのみを対象としてアプローチを行います。
対象エリア | ・自由に選べる |
対象世帯数 | ・対象エリア内の世帯数 |
制作物 | ・チラシ ・パンフレット ・その他の配布物 |
メリット | ・地域密着型のアプローチができる ・エリア外への広告がないので無駄がない |
デメリット | ・エリアの選定が難しい ・エリア外への拡散効果がない |
来店や購入が可能な人たちが住んでいる地域のみに広告対象エリアを限定することによって予算が抑えつつ、来客増加などの目に見える効果が期待できるのがメリットです。
地域密着型で商品やサービスを提供されている会社や飲食店にとっては、来店が期待できでるアクセス圏内に限定したエリアマーケティングが有効です。
ポスティングと似ている広告手段
ポスティングと同じダイレクトマーケティングやエリアマーケティングに分類されている広告手段の特徴について解説し、ポスティングと比較します。
ポスティングと特徴や効果が似ており、比較検討されることが多い広告手法は主に5つです。
・ダイレクトメール(DM)
・街頭サンプリング
・一斉メール(メール広告)
・SNSマーケティング
・新聞の折り込みチラシ
それぞれどのような点でポスティングと類似性が高く、また何が違うのでしょうか。
ダイレクトメール(DM)
ダイレクトメール(DM)は、はがきやチラシなどを郵送によって各家庭へと届けるマーケティング手法です。ポスティングと同じく郵便ポストに投函されて受取人の手に取られることになります。
ただし、ダイレクトメールを実施するには郵送先の住所や氏名などの個人情報を取得する必要があることが、ポスティングとは異なる点です。
個人情報の取り扱いが年を追うごとに厳しくなってきており、ダイレクトメール(DM)にかかるコストは増加する傾向にあります。
ダイレクトメール(DM) | ポスティング | |
配布方法 | ・郵送 | ・郵便受けに直接投函 |
個人情報の取得 | ・個人情報(住所・氏名)の取得が必要 | ・個人情報の取得が不要 |
実施にかかる費用 | ・チラシ製作費(デザイン・印刷) ・郵送費 | ・チラシ製作費(デザイン・印刷) ・(ポスティング費) |
最低配布枚数 | ・ごく少量からの実施が可能 | ・まとまった数量からの実施 |
最低配布単価 | ・郵送費が1枚63円以上 | ・自社スタッフで行えば無料 |
「投函お断り」への対応 | ・郵送物のため投函が可能 | ・投函ができない(しない) |
ダイレクトメール(DM)は、すでに顧客のリストを持っている会社や店舗が、広いエリアに住んでいる顧客を対象として限られた枚数を配布することに向いています。
街頭サンプリング
街頭サンプリングは、駅前などの人が多く行きかう場所でチラシやポケットティッシュなどを配布するマーケティング手法です。
直接手渡しによって配布するため事前に個人情報を取得する必要がなく、目視によって年齢や性別を絞って配布することも可能です。
チラシやティッシュを受け取る人々の層が、必ずしも広告のターゲットとしている潜在的な顧客と一致していないというギャップが生じることがあります。
街頭サンプリング | ポスティング | |
配布方法 | ・手渡しによる配布 | ・郵便受けに直接投函 |
広告するエリア | ・駅前や都心部 | ・細かく限定可能 |
対象となる年齢層 | ・目視による選択が可能 | ・配布する世帯による |
実施にかかる費用 | ・チラシ製作費(デザイン・印刷) ・(配布費) ・ポスティングと比較すると高い | ・チラシ製作費(デザイン・印刷) ・(ポスティング費) |
最低配布枚数 | ・まとまった数量からの実施 | ・まとまった数量からの実施 |
ポスティングに比べて街頭サンプリングのコストが高くなる理由は、配布する対象を目視による選別によって限定しているためです。直接手渡すことは効果が高い反面、手に取ってもらうハードルは格段に上がります。
一斉メール(メール広告)
従来のダイレクトメール(DM)に代わる存在として登場したのが、一斉メールやメール広告と呼ばれる個人のメールアドレスに広告を送る手法です。
ダイレクトメールのように多くの個人情報を取得する必要が無く、送付する内容を細かく設定でき、郵送費にあたるものは僅かな通信費のみで低コストです。
ただし、一斉メールは「スパムメール」と呼ばれ、多くの場合にはメールの自動仕分けによってゴミ箱へと送られてしまうため、大きな効果が期待できません。
一斉送信メール | ポスティング | |
個人情報の取得 | ・メールアドレスのみで実施可能 | ・個人情報の取得が不要 |
広告するエリア | ・保有する顧客のリストによる | ・細かく限定可能 |
実施にかかる費用 | ・掲載文面の作成費 ・通信費 | ・チラシ製作費(デザイン・印刷) ・(ポスティング費) |
最低配布枚数 | ・1通からでも実施可能 | ・まとまった数量からの実施 |
不特定多数への大量のメールを送る方法はメールの自動仕分け機能によってほとんど効果がなくなったため、メールマガジンへの広告出稿などへと変化しています。
SNSによる宣伝
スマートフォンの普及により急成長したSNSは、セグメント(絞り込み)を行ったターゲットへのアプローチとして注目されています。
宣伝する企業やお店のどちらもSNSの利用者であるため、個人情報を収集する必要は一切ありません。
多くの企業が利用することによって広告が掲載される頻度が低下したり、優先的に表示されるためには掲載単価が高くなるなどの傾向にあります。
一斉送信メール | ポスティング | |
個人情報の取得 | ・個人情報の取得が不要 | ・個人情報の取得が不要 |
広告するエリア | ・システムによって搾れる | ・細かく限定可能 |
実施にかかる費用 | ・SNSごとの広告掲載料 | ・チラシ製作費(デザイン・印刷) ・(ポスティング費) |
広告の対象 | ・インターネット利用者 ・SNSユーザー | ・配布する世帯による |
SNSを使ったマーケティングでは問い合わせが増加することがメリットである一方で、問い合わせに対応するスタッフにかかる負担が大きいことがデメリットでもあります。
新聞の折り込みチラシ
新聞の折り込みチラシは、家庭や会社で定期購読されている新聞にチラシを挟み込んで配布するエリアマーケティングのひとつです。
ポスティングと比較されることが多く、新聞の購読者に対しては効果的なアプローチが行える一方で、購読者以外にはチラシを届けられないという欠点があります。
駅やコンビニで購入される新聞には、折り込みチラシは挿入されていません。
一斉送信メール | ポスティング | |
個人情報の取得 | ・個人情報の取得が不要 | ・個人情報の取得が不要 |
広告するエリア | ・販売所の配布エリア | ・細かく限定可能 ・地域に網羅的に配布可能 |
実施にかかる費用 | ・チラシ製作費(デザイン・印刷) ・折り込み費用 | ・チラシ製作費(デザイン・印刷) ・(ポスティング費) |
広告の対象 | ・新聞の定期購読者のみ | ・配布する世帯による |
新聞の購読者が減少していることで、依然と比べると新聞の折り込みチラシによる広告効果は減少傾向にありますが、主婦や高齢者向けでは依然として強い影響力があります。
ポスティングにまつわる2つの「率」
ポスティング業者への依頼を行う際には必ず知っておきたい2つの「率」として、カバー率と反応率があります。
・ポスティングの「カバー率」
・ポスティングの「反応率」
それぞれの「率」についての目安を把握しておくことで、依頼時のポスティング業者とのやりとりをスムーズに行うことが可能になります。
全戸配布でも100%ではない「カバー率」の不思議
ポステング業界で一般的に使われるものの、依頼主にとって分かりづらい用語に「全戸配布」と「カバー率」があります。
ポスティング業者から説明を受けていると、以下のような説明をされることがあります。
〇〇エリアへの全戸配布をします!当社の〇〇エリアでのカバー率は90%ですので、〇〇世帯へのポスティングを実施させていただきます!
「全ての世帯(全戸)に配布するのに、カバー率が90%」だというのは一体どういうことなのでしょうか。
全戸配布とは、一切の絞り込み条件を加えずに対象地域内の全ての世帯の郵便受け(ポスト)にチラシなどを投函することを指しているものだと認識されますが、実はこれが間違いです。
カバー率とは、全戸配布によって地方自治体が発表している総世帯数のうちの何パーセントへの配布を行うことが可能であるのかを表すものです。これは業者ごとに異なります。
つまり、全戸配布の「全戸」とは、決して「対象地域内に存在している全ての世帯」ではなく、「対象地域内でポスティング業者が配布可能なすべてのポスト」という意味で使用されています。
「すべてのポスト」とは、配布制限のないエリア内に存在しているポストという意味です。つまり、事業所、戸建て、集合などの絞り込みのないポストを指しています。
ポスティングを依頼する際には、全戸配布であるからと安心せずに、カバー率について確認するようにしましょう。
ポスティングの効果を知る「反響率」
ポスティングの効果を測定するための指標として用いられるのが「反響率」です。
反応率の計算方法はシンプルで、配布枚数に対して来店や問い合わせなどの件数の割合を求めます。
一般的にポスティングの効果は、配布を行った直後の3日間ほどが最も大きいですが、しばらく時間が経過してから反応する受取人も多いため、継続した効果の計測が必要です。
依頼時には想定される反応率について確認することに加えて、その反響率が算出される根拠についても詳しく確認するようにしましょう。
さまざまな業種や業態で活用されているポスティングですが、やはり効果が高い業種というものがあります。
飲食店や学習塾、クリーニング、修理リフォーム、不用品回収などの地域に密着した業種では、ポスティングによる反応が即座に返ってくるケースが多いです。長期的に問い合わせの効果が継続するケースも珍しくありません。
また、モバイルで提供されているサービスやウェブサイトについても、手元の操作だけで気軽にアクセスが可能であるため、反響率が高くなる傾向にあります。
ただし、ポスティングの反応を高めるためには、業種や業態ではなく、「誰が」「何を」」どのように」配布するのかが非常に重要です。
効果の高いポスティング業者を判別する方法
ポスティング業者ごとに配布方法に違いがあることは既に解説しましたが、実際に業者がどのような配布を行っているのかを顧客が知る術はありません。
少しでも効果の高いポスティング業者に依頼するための依頼時のチェックポイントをご紹介します。
・ポスティングの”何を”している会社なのか
・価格やデータなどがスムーズに提供されるか
・期待される効果について事前に説明があるか
・配布スタッフを丁寧に扱っているかどうか
それぞれの項目について詳しく解説します。
ポスティング会社選びによって広告効果が100倍以上違います。いや本当に。
ポスティングの”何を”している会社なのか
ポスティングを専門に扱う会社のなかにも、実は3つの事業形態があります。
・ポスティングの営業を行っている会社
・ポスティングの配布を行っている会社
・ポスティングの営業と配布の両方を行っている会社
一般的に「ポスティング会社」という言葉を聞けば、営業を行っている会社が配布までを責任をもって行っているという印象を受けますが、ポスティングの営業のみを行っている会社が非常に多くあります。
営業会社はポスティング配布を行う下請けへと仕事を回して利益を得ています。関東エリアなどの巨大な商圏では、実際に配布する会社と顧客の間に8社以上もの企業がはさまっていることも珍しくありません。
このような仲介で利益を得ている会社が増えることは、まず第1にポスティングを依頼した顧客の希望が上手く伝達されないこと、第2に中間マージンが多額になるというデメリットになっています。
価格やデータなどがスムーズに提供されるか
ポスティングに関する価格やデータについて質問したときに、スムーズに答えが返ってくるかどうかは非常に重要なポイントです。
・配布エリアに関する情報
・ポスティング単価(価格)
日頃からポスティングの依頼を数多く受けている業者であれば即座に回答があるでしょう。実績のある業者であれば過去の経験から依頼主にとって役に立つデータが提示されます。
一方、ほとんどポスティングの受注実績がない業者や社内の情報の管理が不十分な業者では、ポスティングの配布管理の実務でも不十分な対応となるケースが多いです。
担当者から「すべて安心して任せてください!」などと勢いよく言われても、いくつかの質問をぶつけて反応をうかがうようにしてください。
期待される効果について事前に説明があるか
ポスティング業者のなかには「配布すれば作業が完了」とする業者と、「配布後の反応まで確認する」業者の2つのタイプがあります。
・過去実績の反応率
・過去の業種別の事例
配布だけを済ませれば反応のことは気にしないという業者の場合には、反応率などの期待される効果について事前説明ができないだけでなく、ポスティング作業そのものが杜撰である可能性が高いです。
ポスティングの効果は、配布方法やデザインなどのさまざまな創意工夫やノウハウによって大きな差が出るものです。「うちは他よりも効果が高い!」と主張するポスティング会社には、その根拠について確認してみてください。
反応率が何パーセント程度あるのか、さらに反応があったなかで実際に購入や契約に至る割合がどの程度なのかなどについて少し詳しく確認してみてください。
なお、ポスティング会社のなかには、効果測定の基準を明確にしないケースも目立ちます。WEBサイトへのアクセスや来店客数、問い合わせ件数などの効果を測定するための基準がなければ、反応率について確認することはできません。
配布スタッフを丁寧に扱っているかどうか
どのような配布方法を採用しているのかを判断するためのひとつの方法として、配布スタッフの扱いをチェックするという方法があります。
・スタッフの雇用形態
・スタッフの扱い方
・オフィス内のスタッフの表情
もちろん、あからさまに配布スタッフを見下すような発言をする業者は論外です。
言葉の端々から窺い知れる配布スタッフへの対応から、正規のスタッフによる配布であるのか、あるいは臨時のアルバイトを使って配布を行う業者であるのかを判断することが可能です。
さりげない会話の中から配布スタッフの扱いを感じ取ることは難しいものですが、注意深く担当者の言葉を確認するようにしてください。
ポスティングの配布スタッフの給与が安いことは、インターネット上の口コミや掲示板などでも度々話題に上がります。
配布スタッフの報酬形態には時給制と歩合制があり、給料が安いと指摘されている場合には歩合制での勤務であることが多いです。
さらに、委託という雇用形態が採用されているため、最低賃金などの労働法の対象外となっています。
当社では、このようなポスティング業界の古い慣習を改めるべく、アルバイトに委託する方式での雇用を行わず配布部数に限らず、時間単位の保証を付けた契約を結んだスタッフによる配布を行っています。
さらに、事故などの保険はもちろんのこと、配布中のケガなどにも対応した保険にも加入して、安心して働ける業務環境を作っております。2020年春のコロナウィルス感染拡大によって業務ができなかった時期には、会社独自で休業の保証を実施しました。
、ポスティング会社を判別するためのチェックリスト
☑ オフィスがあるかどうか
☑ 倉庫があるかどうか
☑ 倉庫を見せてくれるか
☑ 契約書もしくは、発注書があるかどうか
☑ スタッフがいるかどうか
☑ 機材を持っているか
☑ 保険に入っているか
☑ 配布マニュアルがあるか
☑ 配布員に対する対応
☑ GPSなどの管理ツールを持っているか
☑ GPS管理ツールを運用しているか
☑ 価格に根拠があるのか
☑ 配布地図を見せてくれるか
☑ 実際に使っている地図を見せてくれるか
このリストにある項目のすべてを満たしている会社がほとんどないだけでなく、実はどれひとつ満たしていないポスティング会社さえあります。もちろん、当社ではすべての項目を満たしています。
配布日の当日の朝に現場を見させて欲しいと言えば、ちゃんと仕事をしていない会社だと断られると思いますが、当社では依頼主の現場訪問をいつでも受け入れています。
ポスティングに必要な機材や車両
配布物をポストに投函するというシンプルな広告手段であるポスティングですが、効果的な配布を実現するにはさまざまな機材や車両などが必要になります。
・丁合機
・折機
・印刷機
・自転車
・台車
・運搬車両
それぞれの機材について解説します。
丁合機
新聞販売店には必ずある機械です。丁合機は複数のチラシを順番に並べるための装置で、複数のチラシを順番に並び変えることができます。
複数社のチラシを一緒に配布することによって、配布コストを安くする併配(ヘイハイ)が成立します。
この丁合機を持たずに手作業で並べ替えを行ったり、このような組み合わせを行わずに現地で別々のチラシを繰り返し入れる方法でのポスティングでは、いわゆる併配によるメリットは激減します。
折機
チラシを折りたたんで投函しやすい形にしてくれるのが折機です。
こちらも製本屋さんなどで用いられている機材で、人の手で折るよりも圧倒的にスピーディで、かつ美しい折り目になります。折機も紙のプロにとって必須のアイテムと言えるでしょう。
印刷機
ポスティングするためのチラシなどの印刷に欠かせないのが印刷機です。
通常の印刷については専門の印刷会社に発注する方がコストも抑えられますが、即日配送などの緊急のポスティングにも対応するためには自社保有の印刷機が欠かせません。
自転車
大量のチラシを詰め込んだカバンを担いでポスティングを行う業者もありますが、自転車があることでスタッフの負担を減らし、スピーディな配布が可能となります。
さらに、多くのチラシを自転車で運搬や管理をすることによって、汚れたり曲がったりするなどの毀損の恐れが減少します。
自動車やバイクなどと比べると停車場所を選びません。ポストとポストの距離が離れている場合には、その移動時間も大幅に短縮することが可能になるため、配布効率を上げるためには必須のツールです。
台車
大量のチラシを運搬する方法として、自転車以外には台車を用いるケースもあります。
自転車よりも多くのチラシを一度に運ぶことが可能ですが、あまり広範囲の移動には向いていません。
運搬車両
集合場所にスタッフが集まって配布を開始するキャラバンポスティング方式では、チラシを現地まで届けるための運搬車両が必須です。
一方、外注のアルバイトによる在宅ポスティングによる配布では、個人がオフィスでチラシを受け取って配布場所へと向かうため運搬車両は必要ありません。
とても単純な作業に見えるポスティングですが、裏側ではさまざまな機材が活躍しています!
ビッグデータ(GISデータ)とポスティング
ここ数年のトレンドとして、効果の高いポスティングを行うためにビッグデータの活用が進んでいます。
地図情報をベースとしたGISデータを分析することによって、配布エリアごとの住民の属性を把握します。
メリット | ・配布世帯の絞り込みが可能 ・商品やサービスに合った世帯への配布 ・配布前に効果を予想しやすくなる |
デメリット | ・分析には時間がかかる ・分析には費用がかかる ・データが多すぎて活用が難しい ・絞り込みにより配布効率が下がる ・配布効率の低下による配布コストの上昇 |
エリアマーケティングの代表的な存在であるポスティングは、他の広告手段と比べて特定の地域だけに絞り込んだマーケティングができることが大きな特徴のひとつです。
どの地域に配布することが効果的であるのかをビッグデータ分析によって把握することによって、より効果的なポスティングが可能になります。
GISデータによる分析では、以下のような情報を把握することができます。
・地域ごとの所得データ
・地域ごとの家族構成に関するデータ
・特定の地点までの移動時間
・マンションと戸建ての割合
・住宅とオフィスなどの割合
ただし、地図情報のGISデータを含むビッグデータの活用には、高額な分析費用がかかったり、分析に時間がかかってしまうため、ポスティング費用が高くなってしまうデメリットがあります。
可能な限り多くの枚数を撒くことだけが重視されていたポスティングですが、ビッグデータ活用の流れによって反応のクオリティにこだわったサービスも提供することが可能になりました。
ポスティングは合法?違法?
投函される配布物のなかには、公序良俗に反する内容のチラシの取り扱いがあり、子供たちへの悪影響を懸念する声も数多くありました。
現在では、ポスティングに関する法整備が進み、行政や警察当局による厳しい取り締まりが行われた結果、このような状況は劇的に改善しています。
・行為に対する規制と取り締まり
・内容に対する規制と取り締まり
社会問題化したポスティングに対しては、不法侵入などのポスティング行為そのものへの取り締まりと、ピンクチラシなどのポスティングするチラシの内容への規制や取り締まりが徹底的に行われました。
ポスティングという行為そのものが違法であると考えている方もいらっしゃいますが、それは誤解です。ただし、悪質な業者が多かったことで厳しい規制や取り締まりが行われています。
立ち入り禁止(不法侵入)
郵便受け(ポスト)は機能上、外部からでもアクセスがしやすい場所に設置されています。
しかし、「立ち入り禁止」などの禁止表示があるにも関わらず、チラシを投函するために敷地内に侵入した場合には、違法だとみなされる場合があります。
住居侵入罪に関して定めた「刑法130条」
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、懲役又は罰金に処する。
この条文に書かれている「住宅」とは、家の建物内だけではなくマンションなどの共有部分(駐車場やエントランス)も含まれます。
住居侵入罪で逮捕された場合には「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」という厳しい処分が下されます。
ただし、ポストにチラシを投函することを目的として敷地内に入ることについては、明確に禁止する法律はありません。
配布スタッフが逮捕されるとお店や会社にも悪影響を及ぼす可能性がありますので、せっかくの広告宣伝行為が逆効果になってしまいます。注意しましょう!
ピンクチラシ
ポスティングには、新聞の折り込みでは取り扱ってもらえないチラシを配布することを目的として始まったという歴史があるため、いわゆるピンクチラシと呼ばれる風俗店などのチラシの配布に活用された時期があります。
子供たちへの悪影響も考慮して、風営法では以下のように規定がされています。
ピンクチラシの禁止を定める「風俗営業法(風営法)第28条第5項2」
人の住居にビラ等(ビラ、パンフレット又はこれらに類する広告若しくは宣伝の用に供される文書図画をいう。以下同じ。)を配り、又は差し入れること。
この風営法に加えて、各都道府県ごとに施行されている「迷惑防止条例」などでもピンクチラシを対象とした規制が設けられており、違反者に対しては懲役や罰金などの厳しい罰則が適用されます。
例えば、東京都では迷惑防止条例として、以下のように定めています。
東京都の迷惑防止条例第7条1「不当な客引行為等の禁止」
わいせつな見せ物、物品若しくは行為又はこれらを仮装したものの観覧、販売又は提供について、客引きをし、又は人に呼び掛け、若しくはビラその他の文書図画を配布し、若しくは提示して客を誘引すること。
ポスティングそのものは客引き行為ではありませんが、ビラやチラシを配布して来店を促す行為であるとして、こちらの条文に抵触すると判断されています。
合法的にポスティングを行うには
過去の悪質なポスティング行為によって、ポスティングに対する取り締まりは非常に厳しいものとなっています。
・明確に禁止されている場所に入らない
・住民の不安を煽るような配布方法を行わない
・公序良俗に反する内容のチラシを投函しない
・ポスティング業者に依頼する
未経験者の配布スタッフを含め、十分な知識のない方がポスティング行為を行うことによって、さまざまな法律による処罰の対象になる可能性があります。
一時は社会問題化した悪質なポスティングが排除されて大きく改善された理由は、これらの法律や取り締まりによるものです。
お店のスタッフや臨時アルバイトなどでポスティングを行う場合には、こうした法律に触れるような行為をしないように十分に配慮する必要があります。
ポスティングに関する法律やルールを熟知した業者に依頼することで、こうしたトラブルを避けながら、効果的なポスティングが行えます。
業務委託による歩合制のアルバイトによる配布では、こうした法律を遵守しない悪質なポスティングが行われるケースがあるため、ポスティング業者選びには十分に注意が必要です。
ポスティングの業界団体とは
さまざまな業界と同じようにポスティング業界にも、業務としてポスティングを行っている業者や企業だけが加盟する業界団体があります。
団体ごとに違いがあるものの、ポスティング業者による交流会や情報交換が行われています。
ただし、ポスティングを業務として行うことには一切の免許や資格などの制度はありませんので、各業界団体に加盟していないポスティング業者も数多くあります。
業界団体に加盟していることだけが「まともな業者である証」であるとも言い切れない部分がありますので、ご注意ください。
日本ポスティング協同組合
日本ポスティング協同組合(通称、組合)は、中部地区ならびに首都圏のポスティング業者の連絡会を起源として、1999年に設立されたポスティングの業界団体です。
2020年5月現在、日本国内のポスティング業者95社が加盟しています。
全日本ポスティング協会
全日本ポスティング協会(通称、協会)は、2015年に設立されたポスティングの業界団体です。
2020年5月現在、本会員と一般会員を合わせ140社が加盟しています。
効果的なポスティングを行うには
ポスティングのマーケティング上の特徴や、さまざまな分類、最新のトレンドを踏まえたうえで、効果的なポスティングを行うための方法を解説します。
・反響の確認ができる仕組みを作る
・ターゲットを明確にする
・ポストから家にもってかえってもらう工夫
・タイミングを考える
・チャンスを増やす
それぞれのポイントについては、続きをご覧ください。
反響の確認ができる仕組みを作る
ポスティングによる宣伝広告を行うからには、どのような反響を期待するのかを明確にすることが大切です。つまり、反響の効果を確認できる仕組みが必要です。
「WEBサイトへのアクセス」「アプリの登録件数」「チラシの回収枚数」などの測定可能な効果を目標として、ポスティングの計画を立てます。
効果測定にあたっては必ず期間を区切るようにしてください。期間を区切ることによって、反響(リアクション)が増えることはもちろんのこと、正確な反響を測定することができます。
さらに、例えば集合マンションと戸建てで異なる種類のクーポンをつけ、それぞれの配布先ごとの反響を見ることも可能です。
ポスティングは実行することが目的ではなく、あくまで期待通りの効果を得ることが目的です。効果が得られる仕組みを作るためには、情報の収集と分析を積み上げることが大切なのです。
ターゲットを明確にする
どのような広告でも同じですが、自社の商品やサービスを購入する可能性がある潜在的な顧客を見つけるには、明確なターゲットを想定する必要があります。
広告のターゲットは、ポスティングを行う対象の世帯を決定するだけでなく、チラシのデザインにも色濃く反映されます。
自社の商品やサービスのターゲットを明確にするためのチェックポイントです。
☐ 年齢
☐ 性別
☐ 家族構成
☐ 職業
☐ 所得
☐ 趣味
自社の商品やサービスの潜在的な顧客と似たようなターゲットを対象読者としている雑誌などに目を通すことによって、日常的にどのようなことに興味や関心を持っているのかを知ることができます。
具体的には、戸建てのリフォームのチラシを集合住宅で配布することや、ファミリー層が少ない世帯に学習塾のチラシを配布することでは思うような効果が出なくても当然でしょう。また、高齢者を対象とした商品やサービスのチラシでは、文字を通常よりも大きくするなどの工夫も大切です。
ターゲットを明確にして、ターゲットに応じたポスティングを行うことによって、期待する効果が得られやすくなります。
分かりやすいデザインをする
ターゲットの性別や年齢層などによってデザインは異なりますが、ポスティングに使用するチラシでは「分かりやすいこと」「伝わること」が非常に重要です。
ある調査によると、ポストに投函されたチラシが「必要」か「不要」かを判断するのにかける時間は0.7秒なのだそうです。ここで不要だと判断されたチラシは、中身を読まれることさえありません。
お洒落でカッコいいデザインにしたい気持ちも分かりますが、機能性を重視して自社の商品やサービスのことが伝わりやすいデザインであることを優先してください。
ポスティングのチラシを作成するにあたって、気を付けるべきチェック項目を優先度をつけてご紹介します。
1.ターゲットにとってのメリット(最大限、見やすく大きく記載する)
2.そのメリットを受けることの出来る期限や期間
3.会社情報(屋号、住所、地図、電話番号など)
4.ITへの誘引(HP、SNSなどのQRコードなど)
5.申し込みの方法を具体的に(お気軽にお問合せください的な文言も添えて)
6.その他のサービス内容
チラシを見た方だけの限定特価や、アンケートによる割引など、ポスティングへの反応率を高めるための工夫を盛り込むこともおすすめです。
特殊な配布物も検討する
予算次第ではありますが、ティッシュやマグネットなどの配布物のほうが興味を引く可能性が高いです。
ポスティングでは郵便受けに入るものであれば何でも扱えるという特徴がありますので、受け取った人にとって利便性の高いものを提供することも検討してみてください。
特殊な配布物の例については、「ポスティングの分類」の項目で具体例を挙げています。
配布する時季にこだわる
季節ごとに売れやすい商品や、求められてるサービスに変化がありますので、ポスティングを実施する時季については十分に検討する必要があります。
エアコン修理であれば暑さが増してくる梅雨明け、子供向けサービスであれば新学期が始まる前などのように、それぞれの商品やサービスによって配布時期を工夫することで、反応率が大きく変わります。
チャンスを増やす(配布枚数を増やす)
さまざまなポイントについて十分に検討したうえで、やはり最終的には配布した枚数によって問い合わせ件数が増加します。配布枚数を増やすことは、チャンスを増やすことを意味します。
飲食店のデリバリーなどのサービス提供エリアが限定されている場合には、エリア外でのポスティングは業務の効率を悪化させますが、その他のケースでは少し広めのエリアで配布を行うことで思わぬ商圏を見つけることもできます。
ポスティングの配布枚数や絞り込みによる単価や効果の違いについては、次の項目で詳しく解説していますので合わせてご確認ください。
小さな工夫やこだわりを積み重ねることによって、ポスティングの反応率は大きく変化します。特にデザインには十分に力を入れてください。
ポスティング費用を決定する5つの条件
ポスティングの費用は、すべて効率で決まります。どのようにすれば、ポスティングの効率を上げることができるのかを解説いたします。
・配布先のセグメント(絞り込み)の有無
・配布する期間(期限)
・配布するチラシの枚数
・配布する地域の特徴
・配布物のサイズや形状
ポスティング業者ごとに配布方法に違いがあり、また得意としている地域にも差がありますので、一概に価格決定の仕組みを解説することはできませんが、発注時の目安となるような解説を行います。
少しでもポスティング費用を安く抑えたいという依頼主の方は、是非参考にしてください。
配布先のセグメント(絞り込み)の有無
配布を行う対象を絞り込めることはポスティングの魅力のひとつですが、絞り込みによってポスティング費用が高くなります。
絞り込みを行うことによって、配布効率が落ちてしまい配布にかかる費用が上がるためです。
全戸配布によってエリア内の集合住宅(マンションやアパート)と戸建て住宅のすべてに投函するのが最も安く、絞り込みの条件を増やすことで単価が上がります。
建物の種別や、ビッグデータの活用などでさまざまな絞り込みが可能になっていますが、細かなセグメントを対象とすることで費用が莫大になる恐れがありますので注意してください。
また、ビッグデータによる絞り込みでは、分析そのものに費用が発生するケースが大半です。
配布する期間(期限)
同じ枚数のチラシを配布する場合であっても、配布にかけることが可能な期間が短い場合には、ポスティングの費用が高くなります。
この理由は、配布期間が長くなればなるほど、他のチラシと一緒に配ることが可能になり各チラシの配布にかかるコストを少なくできるためで、配布期間が短いと他社のチラシと同時に配布できない可能性が高いことから価格が上がりやすくなります。
イベントや特売などの開催日までに配布を行うことなど期限が設けられている場合には特に、ポスティング費用に対して追加料金が発生することがあります。
ポスティングを実施する期間や期限に余裕を持たせることによって、ポスティング費用を抑えることが可能になります。
配布する地域の特徴
チラシを配布する地域ごとの特徴によって、ポスティング費用が大きくなるケースもあります。
ポスティング業者の価格設定は、基本的に集合住宅が多いエリアを基準に設定されているため、戸建て住宅が多く建ち並ぶ地域ではポスティング費用が高くなる傾向にあります。
一戸建てが多いエリアでは、移動範囲が広くなるためポスティングの効率が下がることが割増料金の理由となっています。住宅の密集度の低い地方でのポスティングに対して割増料金を設定している業者もあります。
配布物のサイズや形状
ポスティングは、はがきサイズの小さなチラシから、大判や特殊な形状の配布物までさまざまなものを郵便受け(ポスト)に投函できることがメリットのひとつです。
同じ数量の配布であっても、やはり配布物の形状やサイズ・内容によって大きく異なることがあります。
「チラシの持ち運びの効率」「ポストへ入れるサイズ」によって、必要な作業が増えるためです。
例えば、通常より大きなA3サイズのチラシであれば保管に大きなスペースが必要になるだけでなく、ポストに投函するためには、折りたたんでA4以下のサイズにする作業が発生するため、配布価格が上がってしまいます。
また、マグネットなどの場合には重量が大きくなってしまうことから、一度に持ち運べる量に限界があるため、配布スタッフが何度も取りに帰る必要があり、配布価格の上昇に繋がります。
配布するチラシの枚数
ポスティングの価格決定に、依頼部数は大きく影響致します。
実際のポスティングの現場では、1000枚と1万枚のチラシの準備や管理にかかるコストには大きな違いがないため、ポスティングを受注する会社にとっては枚数が増えれば増えるほど割引がしやすくなります。
ただし、配布予定のエリアの大きさによっては、一度に発注できる枚数に限界がある場合もあります。
このような場合には、1回分の配布だけを依頼するのではなく複数回分をまとめて発注することによって、依頼部数を増やすことで価格を下げることも可能です。
具体的には、5000枚の配布が可能なエリアでのポスティングを依頼する場合、1回ずつ5000枚を依頼するよりも、まとめて2万枚(4回分)の発注を行う方が、数量は同じであっても配布コストは安くなることがあります。
実際のポスティングにかかる費用の例
名古屋を中心としてポスティングを行っている当社「ポストサービス」の費用の一覧をご紹介します。
単価を重視したポスティング費用
複数の依頼主からのポスティングをまとめて行うことで、業界最安値でのチラシなどの配布を実現しているポスティング料金です。
エリアA (名古屋市内) | エリアB (名古屋市隣接市外) | エリアC (市外) | エリアD (愛知県外) | ||
---|---|---|---|---|---|
用 紙 サ イ ズ | B5以下 | 1.0円~ | 1.5円~ | 1.5円~ | 2.0円~ |
A4 | 1.0円~ | 1.5円~ | 1.5円~ | 2.0円~ | |
B4 | 1.5円~ | 2.0円~ | 2.0円~ | 2.5円~ | |
A3 | 2.0円~ | 2.5円~ | 2.5円~ | 3.0円~ | |
B3 | 3.0円~ | 3.5円~ | 3.5円~ | 4.0円~ |
・配布するチラシの枚数 配布する枚数に応じて費用が加算
・配布物のサイズや形状 B5以下での最安値は1円/枚
・配布する地域の特徴 名古屋市内が最も安い1円/枚
・配布する期間(期限) 1か月以内の配布
・配布先の絞り込み条件 エリア以外の絞り込み条件なし
株式会社ポスティングサービスでは、全国最大規模の物量と、それらをいかに効率的に配布するかを日々研究し実行しております。その為に必要な資材も多数所有して最大限費用を抑える事に成功しております。
エリアや期間にこだわったポスティング費用
単価の安さよりも、配布するエリアや建物、期間などの条件を重視される場合のポスティングの費用です。
エリアA (名古屋市内) | エリアB (名古屋市隣接市外) | エリアC (市外) | エリアD (愛知県外) | ||
---|---|---|---|---|---|
用 紙 サ イ ズ | B5以下 | 2.5円~ | 3.0円~ | 3.5円~ | 4.5円~ |
A4 | 3.0円~ | 3.5円~ | 4.0円~ | 5.0円~ | |
B4 | 4.0円~ | 4.5円~ | 5.0円~ | 6.0円~ | |
A3 | 4.0円~ | 4.5円~ | 5.0円~ | 6.5円~ | |
B3 | 5.0円~ | 6.0円~ | 6.0円~ | 7.5円~ |
・配布するチラシの枚数 配布する枚数に応じて費用が加算
・配布物のサイズや形状 B5以下での最安値は.25円/枚
・配布する地域の特徴 名古屋市内が最も安い2.5円/枚
・配布する期間(期限) 1か月以内の配布
・配布先の絞り込み条件 ビッグデータ活用による絞り込み
配布する世帯の絞り込みによって、配布するチラシの枚数を限定する一方で、ビッグデータを活用して配布先にこだわった場合の金額です。
絞り込みで配布枚数は減るものの、ポスティングの枚数あたりの単価が上がりますので、実は全体の予算が似たような価格になることも珍しくありません。宣伝する商品やサービスによって使い分ける必要があります。
株式会社ポスティングサービスは、名古屋を中心とした地域でのポスティングを得意としていますが、ご依頼をいただければ日本全国のどこでも対応可能です。
ポスティング業者への依頼から配布完了までの流れ
最後に、ポスティング業者への依頼から、実際にポスティングが行われるまでの流れについて解説します。
・ポスティング業者への問い合わせ
・配布計画と費用見積もり
・配布するチラシのデザインと印刷
・ポスティングの事項と配布確認
・ポスティング実施後の反応率確認
はじめてポスティングを利用される方のために、それぞれの段階での注意点も合わせて記載します。
ポスティング業者への問い合わせ
ウェブサイトなどを通じてポスティング業者を見つけ出し、問い合わせを行います。
得意としている地域やエリアについて確認し、またサイト内に価格が掲載されていれば事前におおよその予算について計算しておくと良いでしょう。
小規模なポスティング業者の場合には、極めて狭いエリアのみが配布対象エリアである場合があります。
配布計画と費用見積もり
どのような事業を行い、どのような効果を求めているのかをポスティング業者に伝えます。
多くのポスティング業者では、配布計画と費用について即座に見積もりを行い、金額を提示されます。ご予算との兼ね合いで実行可能かどうかを判断します。
期待している反応や問い合わせの件数などの具体的な目標については、この段階で具体的に伝えるようにしましょう。業者と依頼主との目標の食い違いを修正するのは、このタイミングがベストです。
配布するチラシのデザインと印刷
多くのポスティング業者では、配布するチラシのデザインや印刷にも対応しています。
チラシの受け渡しなどの手間を考慮すると、すべてを一括してポスティング業者に任せる方が便利です。ただし、一般的なデザイン料や印刷コストとの比較を行い、高すぎる場合には別途デザインと印刷をすることも検討します。
デザインについて何度かの確認作業が行われたうえで、印刷へと進みます。
ポスティングの事項と配布確認
チラシなどの配布物が到着後、実際のポスティング配布が実施されます。
悪質なサービスの会社でなければ、しっかりと配布作業の完了後の報告があります。報告された内容が事前に取り決めた契約と相違がないかを念のため確認するようにしてください。
配布期間は、依頼した枚数などによって異なりますが、おおむね1か月程度の間には全てのポスティングが完了します。しばらく業者からの連絡が来ない場合には、確認の連絡を入れるようにしましょう。
ポスティング実施後の反応率確認
ポスティングが行われると、いよいよチラシを受け取った方からの問い合わせなどの反応が出てきます。
健全なポスティング業者であれば、配布完了後の反応について何度かの確認の連絡があります。問い合わせ時に要望していた通りの反応が得られているかどうか、業者と共に確認作業を行ってください。
しっかりと検証を行うことによって、次のポスティングを実施するべきかどうか、なにか改善すべき点がないかどうかを確認することができます。
ポスティングまとめ
ポスティングは、ダイレクトマーケティングかつエリアマーケティングとして高度経済成長期に大きく発展し、悪質な投函やピンクチラシなどの社会問題を克服しながら、IT技術やビックデータの活用によって進化を続けてきました。
新聞を購読する世帯が減少していることで新聞折り込みチラシではアプローチできない世帯が増加したことや、インターネットを使用しない高齢者への補助的なマーケティングツールとしての活用など、再び注目を集めるようになってきました。
ポスティング行為には特に資格や免許は不要ですので、自社のスタッフや臨時アルバイトによる配布も可能ですが、法律やルールを守りながら本業に負担なくポスティングを実施するには、ポスティング業者への発注も検討することがおすすめです。
ポスティング業者では、それぞれの地域ごとの特徴や、業種や業態による配布エリア決定のポイント、ポスティングするチラシのデザインなどに多くのノウハウを持っていますので、かなりの時間と手間を節約することができます。
ポスティングをやってみたいと考えている事業者や広告担当者の方は是非、全国最大規模のキャラバン配布を行う「ポストサービス」にご相談ください。どんな質問にも即座にお答えします。株式会社ポスティングサービスまでお気軽にお問い合わせください。
ポスティング業者選びを間違うと、商品やサービスのイメージを悪化させる事態に発展する可能性もあります。しっかりと効果が出るポスティングを実施する参考として、このページがお役に立ちましたら幸いです。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
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