「あのドクターの手術成功率は90%」「あのドクターは、手掛けた手術の内10%は失敗している」この2つの言葉は、同じ事象を説明しています。

どちらも、同じく90%の確率で成功しているのですが、耳にした時の印象は異なります。

さらに、この言葉を聞いた人のその後の行動にも影響を及ぼすことを心理学でフレーミング効果と言います。

このように、選択する言葉や表現次第で印象が大きく変わり、この効果はポスティングチラシにも活用できます。

本記事では、フレーミング効果の中でも、特にネガティブな印象を強く与える、ネガティブフレームに焦点を当て、ビジネスにおけるチラシ作りへの応用方法を解説します。

またポスティングに関する情報を網羅した記事がこちらにありますので、他にも知りたいことがあれば確認してみてください。

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ポスティングチラシの印象が悪くなるネガティブフレームとは

フレーミング効果とは、物事を言い表すときに、強調部分によって相手の意思決定や行動の選択に影響を与える効果のことです。

この効果には、ポジティブフレームとネガティブフレームの2種類があります。

ポジティブフレームとは、聞いた人間を前向きにする、確実性を強調した表現方法です。

一方、ネガティブフレームとは、リスクを強調し危機感を煽る表現方法となります。

フレーミング効果が生じる理由は、人の意思決定を表したプロスペクト理論によって説明されています。

プロスペクト理論では、利益が出る状況下では、安定志向で確実性を好み損失を避ける傾向となり、損失が出る状況下では、リスクを取ってでも利益を求めます。

このように人間の価値の感じ方は、絶対的な評価ではなく自分の状況次第で変わります。

ポスティングチラシに載せるべきではないネガティブフレームの例

多くの場合、チラシの読み手は安心や安定を求めているため、ポジティブフレームを好みます。

例えば、「この商品購入者の90%が大変満足しています」と言われると、自分も手にしたいと考えるでしょう。

同じ内容でも「この商品購入者の10%は、不満を抱いています」と言われたら、とても興味は持てません。

米国ミネソタ大学で、アレクサンダーロスマン博士が、手術前の患者に対して行った実験結果があります。

「600人中400人が死亡する」「600人中200人が助かる」という内容は同じですが、表現方法の違うデータを見せて、患者が手術を承諾するか否かについて実験しました。

その結果、「200人が助かる」と言うデータを見せた方が、患者の承諾率が上がったのです。

これは、患者が助かるというポジティブな表現に惹かれたことを意味します。

また、アメリカで行われた別の思考実験があります。

同じく95%の除菌効果がある商品に、「95%除菌可能」と「菌の5%は生存」の2つの異なるラベルを付けます。

どちらも、意味することは同じですが、キャッチコピーにより「除菌できる」ことが強調されたため、多くの人が前者を選択すると考えられます。

このように、表現方法は、人の選択に大きな影響を与えます。

そこで、ポスティングチラシを作成する際も、マイナスな事柄を強調するのではなく、ポジティブフレームを活用することで、多くの人に、安心感や魅力を伝えられます。

ある業種やサービスの宣伝において、ポジティブフレームを使った表現方法の例や、使う言葉によっては読み手に不快感を与えかねないなど注意点もこちらの記事にまとめています。

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ネガティブフレームはポスティングチラシにインパクトを与えられる

チラシにはポジティブフレームの活用が有効である一方、インパクトの強いネガティブフレームを適切に活用することで、読み手の危機感を煽り、行動を促す効果も得られます。

特に、予防商品の場合、自分の身に何かが起きるまでは具体的な行動を移す気になれない人も多いでしょう。

そのような時に、ネガティブフレームが持つ脅迫効果を利用するのです。

例えば、ジムの入会案内やダイエット商品の紹介などでは、「日々のダイエットは健康維持に効果があります」と表現するよりも、「太り過ぎは万病の元!」などのように、ネガティブな切り口から書いた方が、読み手の危機感を煽り行動を促すことに繋がります。

これ以外にも美容院やシャンプーのチラシでは、「髪は年齢をごまかせません」などと、気にしている人の目に留まる表現をすることで、白髪染めやスタイリング、ヘアカットなどに興味を持ってもらえます。

美容関係においても、「毎日のケアでキレイの維持を」より、日々のケア不足による老化の進行や、しわ、シミの増加と言った側面にスポットを当てた切り口の方が、危機感を覚えてもらえます。

飲食関係のチラシであれば、「〇%の幹事さんがもっと早く知りたかったと答えた、当店の画期的なシステム」など店舗のシステムを知る有益性を語りかけ、多くの人が抱く悩みに寄り添うことで、興味を持ってもらえるでしょう。

不動産関係のチラシであれば、毎月の賃料とローンの支払いとの対比を明確にし、「ローンは終わりがあるが、賃料は払い続けなければならない」と、賃料の支払いに焦点を当てることも効果的です。

また、一戸建ての広告であれば「子供が飛び跳ねるたびに叱る生活、終わりにしませんか?のびのびと子育てしたい方におすすめの住宅がここにあります」といった働きかけも有効でしょう。

普段、放置している騒音問題という悩みにフォーカスすることで、一戸建てに対して興味を持たせることが可能です。

クリーニング関連のチラシであれば、服を適切にクリーニングしないことによる損失や、服へのダメージに重点を置きましょう。

預かりサービスをしているのであれば、シーズンオフの服や客用の布団を家に置いておくことで、そのスペースにいくら家賃を払い続けているのかに焦点を当て、日々の損失額に気付いてもらうのも良いでしょう。

このように、それぞれの業界において、人々が持つ悩みを掘り出し、ネガティブな側面から問いかけることで、チラシの受け手に危機感を募らせ、行動を促すことが可能になります。

ただし、極端にネガティブな言葉で危機感を煽りすぎると、店や商品の印象が悪くなり逆効果に繋がります。

あくまでも、顧客の心を掴むことを第一目的に、効果を感じる範囲内でネガティブフレームを活用しましょう。

リピート率やアンケート結果で評判が高い事をアピールすることや、記憶に残る色にするなど、興味を持ってもらうためのデザインの工夫と重要性を詳しく解説した記事も作っています。

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ポスティングチラシの印象が悪くなるネガティブフレームの例を解説まとめ

・ネガティブフレームとは、損失を強調することで危機感や恐怖心を煽る言い回しのことです。

・ネガティブフレームはチラシを受け取った人のイメージが悪くなる可能性があり、ポジティブフレームは良い印象を与えられます。

・インパクトの強いネガティブフレームを適切に活用することで、チラシの受け手に行動を促すことが可能です。

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渡辺 修平(Shuhei Watanabe)
渡辺 修平(Shuhei Watanabe)