ポスティングはカタカナで表記されますが、日本語と英語では意味が異なり全く違う場面で利用されています。

英語と日本語の両方で使われているポスティングとは、それぞれどのような意味を持つのでしょうか。

この記事では、日本語と英語におけるポスティングの使い方の違いを詳しく解説しています。

またポスティングに関する情報を網羅した記事がこちらにありますので、他にも知りたいことがあれば確認してみてください。

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英語でポスティングは使わない!?日本語との違い

英語でポスティングのスペルは「Posting」と書きます。

郵便物を郵便受け(ポスト)に投函するさいに使われる印象ですが、これはイギリス英語に限り、アメリカ英語では「Mail(メール)」を使います。

日本で使われているポスティングは、主にポストにチラシを投函することを意味し、英語では違う意味の言葉としても利用されています。

英語のポスティングとは、会社での配属や任命という意味で、職場や場所、地位のこともポスティングといいます。

特に海外への配属や軍隊の任命に用いられることがあります。

例文:He requested a posting in Japan. (彼は日本への配属を要請した)

政治のニュースでよく耳にする政権でのポストや、ポスト○○政権と呼ばれたりするときの「ポスト」と同じ使いかたです。

また、SNSなどのインターネット上に写真や動画、メッセージを投稿することを英語でポスティングといいます。

例文:My friend is posting a photo on Instagram.(私の友達はインスタグラムに写真を投稿している)

日本語では、「ポストに投函する」という意味合いで「Post (郵便受け)」と現在進行形の「ing」が用いられチラシをポストに投函することがポスティングといわれるようになり、広告の宣伝方法として幅広い業種に活用されてきました。

このチラシをポストに投函して大勢の人に広告を配るポスティングは和製英語で、英語で配布するという意味の言葉は「Distribute」となります。

さらにポスティングという言葉は、プロ野球界でも使われています。

なお、次の記事で、英語ではチラシの種類によってフライヤーやパンフレットと呼び方が変化するなど、チラシ配布に関連した英語を紹介しています。

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野球のポスティングシステム(日本語での使い方1)

プロ野球業界では、ポスティングシステムを略してポスティングと呼んでおり、日本語で「入札制度」のことです。

日本の野球界では一人の選手がアメリカのメジャーリーグであるMLB(メジャーリーグベースボール)へ移籍する制度のことをポスティングシステムといいます。

これは、FA(フリーエージェント)権と呼ばれる希望しているチームと自由に契約できる権利を持たない選手が、海外リーグへの移籍を希望したときに日本の所属球団が使える権利です。

毎年11月1日から翌年の2月1日までが移籍希望の申請が可能な期間です。

移籍を希望する選手の所属球団は、譲渡金として交渉権の対価である上限2000万ドルを設定し、日本プロ野球協会(NPB)の管理統括者であるコミッショナーを通してメジャーリーグ(MLB)に告知します。

この告知をする行為を英語で「ポスティング」と言います。

告知された翌日から30日間は交渉期間が設けられ、選手の入札を希望するMLB全球団が、該当する選手と契約交渉を行うことが可能です。

メジャーリーグ契約を結んだ場合、交渉期限が終了するよりも前にMLBコミッショナー事務局などの統括局による契約条件の照会を行う必要があります。

譲渡金は、該当選手との契約を結んだMLB球団から日本の所属球団へ一括または分割で支払われます。

契約条件の照会から14日以内に最初の支払いが行われ、日本の所属球団は支払から5営業日以内に契約保留権を破棄し、選手はメジャーリーグで自由契約選手として公示されます。

交渉期間中に契約が成立しなかった場合、翌年の11月1日までポスティングの再申請や譲渡金の変更はできません。

このように、プロ野球界での「ポスティング」は日本からアメリカへの移籍制度のことをさします。

過去にはイチロー選手や松坂大輔選手、ダルビッシュ有選手がこのポスティングシステムを利用してメジャーリーグに移籍しました。

今では浸透している制度ですが、過去にMLB球団から日本選手を獲得する機会が平等ではないとの不満が出たことでポスティングシステムが導入された経緯など詳しく紹介しています。

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チラシ配布のポスティング(日本語での使い方2)

日本語で使われるポスティングとは、世帯やオフィスのポストにチラシや試供品などの広告媒体を投函することを指します。

近年ウェブメディアやSNSを利用した広告が増える中で、ポスティングは受け取り手にダイレクトに広告を宣伝できる方法のひとつとして多様な業種やサービス提供をする人々に活用されてきました。

ポスティングと聞くと、横文字表記で最近始まったサービスのように感じますが、その起源は江戸時代といわれています。

当時、チラシは引き札と呼ばれ、江戸時代から大正時代にかけて商店や問屋、製造販売元の宣伝方法として用いられました。

引き札の語源や新装開店の宣伝に使っていたなど引き札の歴史がこちらの記事です。

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ポスティングは、現在大手の老舗デパートとして有名な三越(当時の越後屋)が、天和3年(1663年)に呉服の宣伝として現在の日本橋から半径20㎞以内である江戸十里四方の住宅に引き札を配布したことが始まりとされています。

その引き札には「現金掛け売りなし」と表記され、つけ払いが当たり前だった呉服を店頭にて現金交換で売るという画期的な販売方法が話題を呼びました。

「現金掛け売りなし」は日本で最初のキャッチコピーともいわれています。

その後、江戸時代の医者や俳人として知られる平賀源内が知人の依頼で歯磨き粉の引き札を作り、江戸の人々のなかで話題になったため、多くの作家が引き札を作るようになったといいます。

引き札が誕生した当初は、使用されている色は少ないものの明るい色合いとめでたい言葉(繁栄・大入り・千客万来など)が大きく書かれ、暦やカレンダー、郵便早見表がついたものもありました。

引き札という名称は大正時代まで使用されていましたが、大阪では街頭で引き札をまき散らす様子が見られるようになり、全国でチラシと呼ばれるようになったとされています。

ある一説では、鎌倉時代の僧侶である一遍上人が南無阿弥陀仏の札を出し、大衆に配ったことがポスティングの起源ともいわれてます。

いずれにせよポスティングは長い歴史を持ち、消費者と販売者にとって有効な広告手法として日本の人々に親しまれてきました。

のちに西洋文化が日本に伝わり、郵便受けのことをポストと呼ぶようになり、ポストにチラシを投函する行為のことをポスティングと呼ぶようになったのです。

武士や庶民などの階級に関係なく、一般的に郵便制度が始まったのは明治6年(1867年)のことでした。

各世帯へ郵便受けが普及され、同じころ日本は高度経済成長期となり、各企業が力を入れて業態やサービスの宣伝にポスティングを用いて行いました。

2000年に入り、全国へインターネットの普及が広まり、広告の手法はアナログな紙媒体からウェブメディアへと移行しましたが、最近では急速な競争率の上昇と費用の高さが理由で紙媒体であるポスティングの効果が見直されています。

こちらにポスティングとウェブ広告は併用すると互いに補填されるなど解説しています。

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現在では、飲食店や美容業界、通信販売、不動産会社、不用品回収、水道工事などポスティングの利用業種は多岐にわたります。

クーポン券付きのチラシや、ティッシュやマグネット、試供品までポストに投函できるサイズの物は広告媒体としてポスティングで活用されています。

商業用の宣伝目的ではない使用例としては、自治体が発行している地域特化型の情報誌やフリーペーパーが挙げられます。

高齢化が進む日本では、新聞の購読者が減っていく一方で、ポストに投函される広告をみる人の数は減っていません。

ポスティングは配布する形態によっては保存率や閲覧率が高く宣伝効果が期待され、ウェブメディアやSNSでの広告が増える中でも効果的な広告方法として再注目されています。

ポスティングはチラシを投函する世帯やオフィス付近の店舗の宣伝に、より一層高い宣伝効果が見込まれます。

さらに、ポスティングは低コストで始められ、ターゲットを絞ると効果的など実はポスティングでの宣伝が狙い目だとの解説がこちらにあります。

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英会話教室でも利用されているポスティング

英会話教室や塾など習い事関連の宣伝にはポスティングが最適で費用対効果も高いといわれおり、その理由のひとつに英会話教室が地域密着型のサービスであることが挙げられます。

利用者が英会話教室を選ぶ基準として重要視するのは「通いやすさ」で、長期的に通うことが予想される英会話教室は家や勤め先から近いことがポイントです。

また、通学回数は週1~3回が平均的なので教室に通う頻度も高く、家から遠いエリアにある英会話教室はどれだけ教師の評判が良くても選択肢に入りずらくなってしまいます。

宣伝範囲が広いオンラインでの広告や街頭でのチラシ配りはコストがかかるうえにターゲットを絞りづらい一方、ポスティングはチラシを配布する地域を限定できるので英会話教室の宣伝として相性が良いです。

人口や世帯数、年齢などをまとめたGISという地理情報システムに基づいた地域選定ができるので、チラシを配布したいターゲット選定も明確です。

ターゲット明確化で無駄な配布を防げ、効果を高めるGISポスティングを参考ください。

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英会話教室に通いそうな小学生のお子様がいる家庭やビジネス英会話を必要とする会社員が住む世帯に限定するというような、細かいターゲットを絞ることで反響率が上がります。

所得別にエリアを選定し、英語教育に力を入れそうな高収入層が多いエリアを選ぶのもいいでしょう。

また、英会話教室の利用者が契約しやすいタイミングを狙って広告の受け取り手に直接宣伝できることもポスティングの魅力です。

地域を限定して世帯に配布することで、街頭でのチラシ配りやウェブメディアでの広告では難しいカバー率を網羅でき、ターゲットである世帯にまんべんなく情報を宣伝することができます。

紙媒体の広告は即効性があるので、チラシを目にした受け取り手がすぐに契約に至るケースも見られます。

そのほか、配布するタイミングが自由に選べることがポスティングと英会話教室の相性がいい点です。

狙いを定めたターゲット選定とニーズに合うタイミングでの広告配布が可能なポスティングは、英会話教室の宣伝として大きな効果を発揮するでしょう。

さらに、紙媒体での広告はお子様向けの英会話スクールでも効果的です。

小学生や未就学児向けの英会話教室では、契約するかどうかの決定権は本人だけでなく親御さんにゆだねられます。

その場合、ウェブメディアでの広告よりも紙媒体のチラシの方がお互いの情報共有に優れ、家族間での話し合いがしやすくなります。

ウェブ広告はオンライン上に流れる膨大な情報量に押されてしまいがちですが、紙媒体は形態を工夫すれば長期保存されるというメリットもあります。

英会話教室がある周辺の地域に密着した宣伝ができるポスティングは、費用対効果が高く集客率の向上にピッタリです。

さらにこちらに、1度だけでなく数回宣伝することで効果をあげる(ザイオンス効果)など英会話教室のポスティングを成功させる秘訣が詳しく紹介されています。

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ポスティングの英語と日本語の使い方まとめ

・プロ野球界におけるポスティングは入札制度のことです。

・日本語ではチラシを投函することをポスティングと呼びます。

・ポスティングは英会話教室の宣伝方法として活用されています。

 

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渡辺 修平(Shuhei Watanabe)
渡辺 修平(Shuhei Watanabe)